新潟大学医歯学総合病院 脳神経外科 大石 誠
新潟市急患診療センターの脳神経外科は、一般病院や医院がお休みである日曜日および祝日に、新潟大学医歯学総合病院脳神経外科の医師が9時から18時まで診療を行っております。当センターは、新潟市内の休日急患診療の中で、いわゆる「一次救急」を担当しており、頭部疾患に関して具体的には以下のような患者さんが該当しますので、ご利用いただければと思います。
「頭痛、嘔気、めまいが強く我慢できない」
「急な発症で緊急性のある脳疾患かどうか心配である」
「事故や頭部打撲後に、意識はしっかりしているが記憶が曖昧で、吐き気がする」
「頭部や顔のケガで出血しており処置に困っている」
このような状況に対してセンターでは、医師の診療とCT検査(X線を使った頭蓋内の断層撮影検査)による緊急性の判断、痛みや吐き気に対する当座の投薬、場合に応じて注射や点滴、縫合まで含めた創傷処置などを行うことが可能です。
一方で当センターは、それ以上の診療を行うための診断機器(MRI装置など)や薬剤備蓄がなく、入院施設も併設しておりません。たとえば意識障害や、言語障害、半身の手足の運動麻痺といった神経症状は脳梗塞や脳出血を疑います。また突然の激しい頭痛や嘔吐はくも膜下出血を疑います。このような疾患の対応は当センターではなく、救急要請などの上で診療可能な病院(新潟市内では、新潟脳外科病院、桑名病院、信楽園病院など)へ搬送してもらう必要があります。もし当センターでこのような診断となった際には、その時点で当該病院へと救急転送させていただきます。
また、受診の際にもう一点ご留意いただきたいことが、当センターの主目的はあくまで休日の応急対応であるという点です。「忙しくて平日受診ができないから」、「事故後で診断書が欲しいから」、「他の病院で原因がわからないと言われたから」といった理由でのご相談には対応ができませんのでお控えいただき、平日に神経系の医院や病院を受診ください。市民のみなさまには新潟市の休日診療における当センターの役割をご理解いただき、適正にご利用いただけますようお願いいたします。
(2019.07.08)