市民のみなさまへ

新潟市医師会

傷の治療

高橋 クニ

道路で転んでできたすり傷、包丁等での切り傷、日常よく経験するちょっとしたけがでも処置の方法が適切でないとなかなか治らない場合があります。肘や膝のすり傷はごく浅いものは乾燥させておくだけで治ってしまいますが、少し大きくて深い傷は治るのに時間がかかります。黄色い滲出液(膿ではありません)が出て固まると痂皮(かさぶた)を作ります。これは治ってきたと思い更に乾燥させると痂皮はだんだん厚くなって、逆に傷の治りを妨げます。痂皮の下に潰瘍が残りいつまでも治りません。時には二次感染を起して本当に膿が出てきます。

切り傷も浅い場合はすぐ出血が止まり、きず絆創膏を貼っておくだけでも2、3日で治ります。深く切れて出血が止りにくいとしっかり絆創膏を貼って何日も洗わない人がいます。消毒ときず薬だけでは傷はかえって汚れていきます。中には入浴時もビニール袋をかぶせて濡らさないようにしていた人もいます。皮膚がふやけ、表面から薄皮がむけてきた場合はカンジダというかびの菌が繁殖している可能性があります。

傷の治療は誤解されている事も多く、水で洗ってはいけない、消毒をして乾かすようにとまだ考えられているのではないでしょうか。傷は洗ってよいのです。きれいな傷には消毒は要りません。化膿菌は洗う事で取り除かれます。消毒剤は皮膚のすりむけたびらん面の細胞を傷めやすく、傷の治りを遅らせます。きれいに洗ったら抗生剤の軟膏等を塗って傷を被います。また特にびらん面は乾燥させない方が早く治りますので、傷の表面にくっつかない被覆材(表面のつるつるしたガーゼ等)を当てておくと、剥がす時も痛みがなく、出血もしません。ようやく再生してきた皮膚まで剥がしとってしまうこともありません。

傷がある程度大きく、又は深くて出血が止まらなかったり、感染を起した可能性のある場合は早めに医療機関で治療を受けた方がよいでしょう。適切な処置でより早く安全に傷は治ります。

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