市民のみなさまへ

新潟市医師会

ニキビについて

丸山 友裕

(西区 皮膚科まるやまクリニック)

 

(1)~日常生活編~

かつては「青春のシンボル」といわれたニキビですが、最近は20~30歳代の人にも多くなりました。

10歳代のニキビは基本的にホルモンバランス(男女とも男性ホルモンによる脂腺機能亢進)によるものですが、それ以降は、化粧やストレスなどの要因が関係してきます。

このアダルトニキビは顎のラインから口の周囲に多く出現し、化膿しやすく悩まされます。

ニキビ治療の大原則は
1) 十分な洗顔
2) 化粧品で隠そうとして厚塗りしない
3) 髪の毛ですれたり、むやみにいじるような刺激を与えないなどです。
1)、2)は毛穴から脂分がスムーズに排出させることを目的とします。化粧品は脂分を含みますので基本的にはニキビに負担をかけます。
3)は慢性刺激により毛穴の出口が角質化して詰まったり、脂がたまって膨れた毛包(毛を包む袋)が皮膚の内部で壊れないようにするためです。

洗顔料としては、「うるおい分が残ります」「つっぱりません」と称するものは基本的に乾燥肌向けのもので、脂肌やニキビ肌向けではありません。洗顔後すっきりと脂分が取れるものを選んでください。

 

(2)~なぜ、にきび痕になるの?~

ニキビがひどくなると、へこんだような痕が残ります。また、この痕にはいつまでも赤みが残り悩まされますね。

よく「ニキビはつぶすと痕になる」「いじるな、さわるな、つぶすな」といいますが本当でしょうか?

この答えは「半分本当、半分嘘」です。

髪の毛で慢性的にすれていたり、頬杖をつく、顎などをむやみにさわる習慣などは悪化因子ですので、この点で「いじるな、さわるな」は正しいといえます。

へこんだ痕は、ニキビが赤く化膿した状態が長引くことによって生じます。

毛を包んでいる袋(毛包)が壊れて中にたまった脂や細菌が真皮内に放出されると、激しい炎症が起き、膿がたまっている限りこの炎症は続きます。この炎症が長引くとへこんだような痕を作るのです。ニキビをつぶす(内容物を皮膚の外に出す)時の刺激自体でへこんだ痕が生じるわけではありません。

従って、毛包を壊さずに確実に中身を外に出すなら、つぶすのは構いません。また、化膿したニキビの、溜まっている膿を出すことも構いませんし、有効な治療といえます。

いずれも専用の器具が必要なので、ご自分でやるのは難しいと思います。

皮膚科で「面疱(めんぽう)圧出」という治療としていっておりますので、受診してご相談下さい。

 

(3)~治療編~

ニキビの治療を列記すると下記のようになります。
1) 抗生物質の内服・・・・テトラサイクリンやマクロライド系抗生物質を長期連用・・・毛包内でのニキビ菌の増殖を抑えます
2) 抗生物質を含む外用剤(ローション、ゲル)・・・・1)と同じ作用を期待
3) 硫黄などを含む外用剤・・・・毛穴の出口の角質を剥がして脂を抜きます
4) ビタミン剤や漢方薬の内服
5) 面疱の圧出・・・・毛包にたまった不要物質の排出
6) ビタミンCローションの外用・・・・毛穴出口の角質化の抑制
7) ケミカルピーリング・・・・毛穴出口の角質化の抑制
8) レーザー照射・・・・ニキビ痕の凸凹の緩和、赤みの緩和
9) その他

上記のように色々あるということは、逆に、決定的なものはなく、日常生活における注意や、色々な治療を組み合わせなければ上手くいかない、という意味でもあります。

1)~5)までは保険適用です。日本皮膚科学会としては近年7)も推奨していますが残念ながらまだ保険適用ではありません。

上記に加えて本年(2008年)10月にレチノイド様作用を有する画期的な外用薬が発売されました。

従来は、上記1)2)のニキビを化膿させない、という治療を主として行ってきましたが、この外用剤により、ごく初期の段階からニキビ発生を抑えることに成功しました。

ニキビ数は1ヶ月連用で約半減、3ヶ月で6割減、6ヶ月で7割減、1年で8割減というデータが出ています。

ニキビに悩んでいる方は、くよくよしないで皮膚科を受診してみましょう!

(2008.12.10)

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