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新潟市医師会

粉瘤(ふんりゅう)について

志村 英樹

(中央区 しむら皮膚科クリニック)

粉瘤(ふんりゅう)は皮膚の下に皮膚の袋ができ、その中にアカ(角質)がたまる良性の皮膚腫瘍(できもの)で、アテロームまたはアテローマとも呼ばれます。聞きなれない病名かもしれませんが、特に珍しいものではなく、一般的に「脂肪の塊」と言われることもあるようです。初期には皮膚の下に柔らかいシコリとして自覚され、アカがたまることにより徐々に大きくなっていくと皮膚表面がドーム状に盛り上がってきます。5~20ミリぐらいの大きさのものが多く、膨らみの中心部に黒や白の小さな点として袋の入り口が見えることもあります。袋の中のアカは酒粕様の外観で特有の匂いを放ちます。

身体のどの部位にでもできるものですが、特に顔、耳の後ろ、背中に多く見られます。

通常では痛みはありませんが、皮膚の下で袋が破れアカが皮膚の下に飛び出ますと炎症を起こし、赤く大きく腫れ上がり痛みを伴います。この場合は、「感染性粉瘤」や「炎症性粉瘤」と呼ばれます。

粉瘤を治療するには、皮膚の下にできた袋を切除する必要があります。その方法は2つあり、1つは紡錘形に皮膚を切り、粉瘤の袋の外側からアプローチして袋を皮膚から引き剥がし丸ごと摘出する方法で「単純切除法」と呼ばれます。この場合、粉瘤の大きさの2~3倍の長さの直線の傷跡になります。もう1つの方法は、「くりぬき法」もしくは「へそぬき法」と呼ばれる方法で、粉瘤の袋の入り口の部分に2~6ミリの丸い穴を開け、粉瘤の袋の内側からアプローチして袋を皮膚から引き剥がし摘出する方法です。この場合は、2~6ミリの丸い傷跡になります。「単純切除法」に比べて「くりぬき法」の方が再発リスクが高いとされています。

手術せずに経過をみるという選択肢もありますが、徐々に大きくなりますので最終的に手術が必要となることがほとんどです。粉瘤が大きくなる分、手術の傷跡も長くなってしまうので、結果的にデメリットが大きくなります。

皮膚にシコリができたときは迷わずに皮膚科医の診察を受けるようにしましょう。

(2012.3.15)

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