市民のみなさまへ

新潟市医師会

「床ずれ」のおはなし

竹内 ひろみ

(中央区 オヤケ医院)

ご自宅、施設、病院で介護や治療をうけている方、介護なさっている方、それぞれいろいろなご苦労があると思います。そのなかでも、避けて通れないのが「床ずれ」でしょう。

「床ずれ」とは、皮膚の一部に、持続的に圧力がかかることでおこり、自分で体の位置を変えられない、栄養状態が悪い、皮膚の衛生状態が悪いなどの悪条件がかさなることで、簡単に発生します。

「床ずれ」のできやすいのは、骨がでている部分です。仰向けに寝た場合、仙骨部(おしりの中央)に体重の40%以上がかかり、「床ずれ」の半数以上はこの部位にできますし、足・足関節部、大転子部(股の付け根の外側)、肘部などが床ずれのよくできる場所です。圧迫の強さ、持続時間の長さなどで不快感や痛みを感じることができれば、「床ずれ」はおきにくいのですが、知覚障害があれば、「床ずれ」はできやすくなります。

「床ずれ」は介護者、看護者の責任といわれていたころもあり、時間ごとに体位交換をメモ書きにしているところもありますが、15~30度位動かすだけでも圧の分散ができますし、ズレとかヨレ(シーツなど)を直すことでも予防できますので、あまり神経質にならずのんびりとやってみてはいかがでしょうか。

しかし、いろいろ苦労をしても、条件が悪ければ「床ずれ」は簡単にできてしまいます。圧迫によって炎症がおこり、圧迫されている場所が赤くなってくるのが始まりですが、その時点でみつけることはなかなか難しいと思います。現在は、特殊ベッド・交換マットレス・上敷マットレスなどで、状態にあわせて、寝具などの接触面から体表に加わる圧をできるだけ分散させるいろいろな介護用品がありますので、そういうものをうまく利用して予防してはいかがでしょうか。

「床ずれ」ができてしまったら、よく洗い(こすってはいけません)、軟膏やフィルム剤などで処置しますが、なにより清潔と栄養状態の改善が大切です。以前はドライアーで乾かしたり、消毒したりしましたが、現在はおこないません。

終わりに、介護や看護をなさっている方々は、どうぞご自身の健康を大切になさってください。

 

(2013.3.6)

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