市民のみなさまへ

新潟市医師会

陥入爪と巻き爪

野本 重敏

(秋葉区 のもと皮フ科クリニック)

 陥入爪は、足の親指(母趾)などの爪のわきが腫れて痛くなるもので、ひどくなると赤いしこりのようなものができて出血しやすくなります。爪の食い込みがおもな原因ですが、そこに細菌感染が加わることで症状が悪化します。俗に「巻き爪」ともいわれますが、爪が丸まっていなくても生じますので「陥入爪」が正しい病名です。腫れがひどくなるとさらに爪が食い込み、爪が食い込むとさらに腫れるという悪循環に陥ります。深爪をしたり、ささくれを引っ張ったりすることが悪循環のきっかけになります。爪のわきをテープで引っ張り、爪の食い込みを和らげることが治療の第一歩になります。必要に応じて抗生剤を服用したり、人工爪を作成したり、重症の場合には手術を行ったりします。消毒や軟膏による治療はほとんど効果がありません。

 一方、巻き爪は爪が丸まって半円状になり、ひどい場合には「つ」の字型や「の」の字型に曲がってしまう状態を指します。痛みがなければとくに治療の必要はありませんが、しばしば爪のわきが食い込んで痛くなる、つまり陥入爪になることがありますし、見た目を気にされる方もいらっしゃいます。不適切な爪切り、足に合わない靴、浮き趾(母趾先端が踏ん張れなくて浮いてしまうこと)などが原因とされています。手術が行われる場合もありますが、爪のおおもと(爪母)へのダメージが大きく、あとあと強い爪変形をきたす可能性があり、あまりお勧めできません。最近ではワイヤーを用いた巻き爪の矯正治療がよく行われます。爪の先端に穴をあけて超弾性ワイヤーを通したり(町田式)、爪の両側にワイヤーを引っ掛けて真ん中で固定したりして(3TO式)、1年くらいかけて巻き爪を矯正します。この治療を開始してすぐに痛みがとれたという方もいらっしゃいます。保険適用がありませんので自費診療になりますし、行っている施設も限られますが、巻き爪の有効な治療手段の1つとなっています。

(2016.12.27)

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