市民のみなさまへ

新潟市医師会

妊娠中の薬の使用について

石田 道雄

妊娠に気付かずに薬を飲んでしまい、後で慌てる…これは、残念ながら珍しい事ではありません。今回は、妊娠中の薬の使用について考えます。先ず、すべての薬が胎児にとって危険であるとお思いの方がおられるかも知れません。でも、実際には、日常用いられる薬の中で胎児に異常を起すことが立証されているものは、本当に限られております。薬は不当に恐れられているとも言えましょう。しかし、では何も考えずに薬を用いて差与えないのかと言えば、やはりそうではないかと思います。各々の薬の作用には未知の部分もあるはずですので、「無防備」はお勧めできません。以下、妊娠可能な生活をしておられる女性に御留意いただきたい事を一項目だけ記します。男性にも知っておいて欲しい事です。

それは、「妊娠の可能性を常に自覚しておくこと」であり、大切なのはこれに尽きます。月経周期が28日型の方の場合、月経初日から12日位経ちますと妊娠する可能性が出て来ます。しかし、仮に妊娠が成立しても、胎児が薬の影響を受け易い時期に入るのは、そこから約半月後になります。従って、残留性の強い薬(例えば風疹ワクチンやリウマチ治療用の金製剤など)は別として、通常の薬であれば月経初日から28日位の間は用いても問題なかろうと考えられます(この28という数字には、多少の安全を見込んであります。また、月経周期が35日型の方であれば、さらに7日間、すなわち月経初日から35日間は大丈夫であろうということになりますが、やはり28日を目安にしておいた方が好いでしょう)。そして、28日を過ぎてもなお月経が発来せず、しかもその時期になって薬を用いたい事態が生じたという場合には、出来れば医師に御相談いただきたいと思います。ともかく、薬を用いる時は、最後の月経がいつ始ったのかを想い起す癖をつけて下さい。これが、私からのお願いです。

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