市民のみなさまへ

新潟市医師会

子宮頸がんの予防ワクチン

笹川 基

(新潟県立がんセンター新潟病院 婦人科)

子宮の入口(子宮頸部)にできるがんを子宮頸がんと呼びます。いわゆる子宮がんです。

発がんの原因が不明ながんが多いのですが、子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスです。

子宮頸部の細胞にHPVが感染し、前がん病変(異形成)を経て、上皮内がん(目ではみえないがん)、浸潤がん(目でみえるがん)へと進みますが、立派ながんになるまで約10年の歳月を要します。

定期的に子宮がん検診(20歳以上のすべての女性が対象です)を受けていれば、前がん病変や初期がんの状態で発見されます。簡単な手術(子宮の一部を切り取るだけです)で完全に治り、将来赤ちゃんが産めるよう、子宮を残すことが可能です。

子宮がん検診が広く普及すれば、子宮がんで死亡する人は大幅に減ると思われます。しかし、わが国におけるがん受診率はきわめて低く、年々減ってきた子宮頸がんによる死亡数が再び増加しています。とりわけ、がん検診受診率の低い若い人達の子宮頸がんが増えており、大きな社会問題となっています。

最近、子宮頸がんの原因となるHPVの予防ワクチンが開発され、世界100カ国以上ですでに使用されています。日本でも近々認可される予定です。

HPVは性行為により感染するため、11歳~13歳でのワクチン接種が勧められています。HPVには100種類以上があるため、ワクチン接種で子宮頸がんを完全には予防できませんが、60%以上の予防効果が期待されます。注射後、痛みなど伴うこともありますが、きわめて安全なワクチンです。

HPVワクチン接種と子宮がん検診を広めることで、子宮がんで命を落とすことがない社会にしたいものです。

(2009.7.3)

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