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新潟市医師会

最近の風疹の流行と妊娠初期の問題点

山本 泰明

(中央区 ロイヤルハートクリニック)

風しんが全国的に流行しており、妊婦さんが感染すると要注意とたびたび報道され、妊婦さんから「私は大丈夫でしょうか?」とたくさんのお問い合わせをいただいています。

現在、病院・クリニックを受診している妊婦さんは、全員必ず妊娠初期の検査で風しんの血液検査をします。それですでに抗体ができている事が確認できれば感染する心配はありません。抗体ができていない場合、妊娠初期の5ヶ月までが感染に注意する時期で、6ヶ月以降は心配ありません。まれに抗体の反応が強陽性の場合、感染したばかりを疑う場合があります。いずれにせよ、かかりつけの先生に検査結果を確認することが大切です。

確かに、妊娠初期に風しんにかかると、おなかの中の赤ちゃんに感染し、目や心血管の疾患、難聴や発達の遅れなどの障がいを持つ赤ちゃんがうまれる可能性があります。

しかし妊娠初期に感染しても、お腹の赤ちゃんすべてに感染するわけではなく、必ず先天性風しん症候群が生じるわけでもありません。もし先天性風しん症候群に罹ったとしても、ほとんどは致命的ではなく、早期発見とリハビリテーションで日常生活が可能になります。

新潟市保健所の集計では、風疹の流行は関東や関西に多く、新潟では今のところ少数です。感染した人は80%が男性で、年齢別では30歳代を中心に、20~40歳代が多いそうです。風しんに対する抗体があるのか検査をする事と、女性でこれから妊娠を希望される人、男性で家族や同僚などに妊娠中の人がいる場合、ワクチン接種をすることが大切です。

ただし、風しんワクチンは、生ワクチンのため、妊婦さんに接種することはできません。今後妊娠を考える女性が接種する場合は、2か月は妊娠を避けるようにします。

風しんが流行しているというマスコミの報道を、必要以上に心配することはありません。妊婦さんは主治医に相談してください。

(2012.8.6)

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