市民のみなさまへ

新潟市医師会

女性アスリートと産婦人科

岸 博士

(中央区 苅部婦人クリニック)

 以前から激しいスポーツをする女性、特に減量が有利に働く陸上長距離や体操(新体操も)の選手に月経異常(多くは無月経)が多発することは知られていました。産婦人科には急激な減量によって体脂肪が減り月経がストップする体重減少性無月経という病気があり、スポーツ選手の無月経もかつては単純に体重が減りすぎたためと考えられてきました。しかしスポーツが高度になり練習以外に肉体の詳細な管理が行われるなかで、単に体重減少という単純なことでなく大切な栄養バランスの崩れが問題だと分かってきました。事実、私の関わったプロ予備軍の複数の女子高校生も身長、体重は普通、いや競技の性格からはもっと減量した方が良いだろうと思われるくらいなのに、いずれも何年も月経がない状態でした。月経がないとスポーツするには楽でしょうが、その背景には大事な女性ホルモンの減少やアンバランスが潜んでいるのであり、これを放置しますと肉体的には骨や筋肉を弱くし、また精神的な不安定も引き起こします(更年期の女性にみられるように)。従って無月経の背景を知りこれを改善することはアスリートとしてのパフォーマンス向上にも役立ちます。

 東京オリンピックの開催が決まり、その中心となるだろう現在思春期の若い女性アスリートの健全な向上を側面からバックアップしようと、私たち全国の産婦人科医の会では、会員の知識の向上を図る勉強を続けており、選手たちがいつでも身近なところで相談できるよう体制を整えつつあります。思春期にまつわる異常、月経に関連する様々なトラブル、試合に合わせた月経の調節などは産婦人科医の大変得意とする分野です。

 何か少しでも心配な点がありましたら身近な産婦人科に相談してみて下さい。

(2015.7.16)

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