市民のみなさまへ

新潟市医師会

観戦と感染(五輪とジカ熱)

 芹川 武大

(西区 済生会新潟第二病院 産婦人科)

 今年は4年に1回のオリンピックイヤーですね。南米で初めてのオリンピックとパラリンピックがブラジルのリオデジャネイロで開催されます。既に、旅行の計画や、観戦ツアー参加を予定している方もおられるのではないでしょうか。

 さて、最近報道で「ジカ熱(ジカウイルス病)」という言葉をよく耳にします。これは「ジカウイルス」に感染した蚊がヒトを刺すと、2〜12日間の潜伏期の後に、発熱や頭痛、関節および筋肉痛、そして皮疹なども出てくる感染症のことです。8割では症状がなく、感染したという自覚がないまま自然に治ってしまうこともあります。しかしながら妊娠中の女性がこのウイルスに感染すると、お腹の中の子供に小頭症などの先天異常の発症や死亡した例が、多数報告されています。

 ジカ熱は南米だけではなく、アフリカ、カリブ海沿岸、およびアジア太平洋地域などでも流行が認められ、日本でも今年5月までに流行地域から帰国した8人にジカ熱発症が確認されています。世界保健機構(WHO)や各国の保健担当部門(日本では厚生労働省)は、流行地域への妊婦の渡航を控えるよう、注意喚起しています。

 現地での観戦を楽しみにしている方もたくさんおられると思いますが、妊娠中または妊娠を計画している女性は、ブラジルを含め、流行地域への渡航を控え、また流行地域から帰国した女性は、最低4週間は妊娠を控えてください。そして性行為により男性から女性への感染事例も報告されています。流行地域から帰国した男性は、症状の有無にかかわらず、最低4週間、またパートナーが妊婦の場合は妊娠期間中、コンドームの使用や性行為を控えることにより、パートナーおよびお腹のお子さんをジカウイルス感染から守ることができます。なお、母乳から児に感染した例は現在のところまだ報告されていませんのでご安心を。

 4年後には国内でオリンピックとパラリンピックが開催されます。今回はジカウイルスの感染を避け、元気に生まれてくるお子さんと4年後の観戦を楽しみにしてはいかがでしょうか。

(2016.7.26)

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