市民のみなさまへ

新潟市医師会

AEDについて

広瀬 保夫

AEDという機械を御存知でしょうか? 最近は空港や高速道路のサービスエリア、ホテルのロビーなどにも設置されるようになりました。AEDはAutomated external defibrillaterの頭文字をとったもので、日本語では自動式除細動器と呼びます。心臓突然死から救う機械として最近よく話題になっています。

急に心臓が止まってしまう「心臓突然死」。非常に恐ろしい病状ですが、決して稀ではありません。心臓の血管が詰まってしまう心筋梗塞が原因のことが多いです。若い人では原因がはっきりしない場合や、胸部打撲を契機に起こる心臓振盪症などが原因になることもあります。

心臓が急に止まってしまった時、多く場合その直後は心臓が痙攣するような「心室細動」という状態になっています。心室細動では心臓に電気ショックをかけることにより再び心臓が動き出す可能性があります。この電気ショックを除細動といいます。除細動は早ければ早いほど有効です。心室細動になって1分以内であれば80%以上の確率で心臓の動きが再開します。しかし電気ショックをかける時間が1分遅れる毎に、その確率は7~10%ずつ低下してしまいます。

これまでは除細動は医師や救急救命士でなければ行えませんでした。AEDの登場により除細動は医療従事者でない方にも実施可能になりました。AEDは簡単な操作で心室細動かどうかを診断し、電気ショックをかけるまでを音声でガイドしてくれます。欧米ではAEDの設置がすすみ、心臓突然死の救命に大きな効果を上げています。

救急車が呼ばれて現場に到着するまでの時間は平均約6分ですが、心肺蘇生法を行わないと4~5分で脳に低酸素による深刻なダメージが起こります。居合わせた人が救急隊が到着するよりも先に、心肺蘇生法を開始してAEDを使う意義は大きいと言えるでしょう。しかしAEDの操作が簡単だとはいっても、心肺停止状態に遭遇してとっさに対応するのは現実にはなかなか大変です。AEDも魔法の機械ではなく、配備するだけでは効果を上げることは出来ません。せっかくAEDがあっても使えなかったのでは極めて残念です。AEDの使い方、心臓マッサージや人工呼吸などの心肺蘇生法をしっかり修得しておくことが大事です。実際に講習会等で練習をすることをお勧めします。

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