市民のみなさまへ

新潟市医師会

息切れすることはありませんか?

中山 秀章

(中央区 新潟大学大学院医歯学総合研究科)

階段や坂道を昇ったり、歩くだけで息が切れることがありませんか?そのような方はCOPD(シーオーピーディ;日本語訳では慢性閉塞性肺疾患)の疑いがあります。以前、「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれていたものです。

おもに喫煙によって、正常な肺が破壊されて、継続的に肺の空気の通りが悪くなってしまう病気です。この病気は、ご自身がタバコを吸わなくても、家族や仕事の同僚がタバコを吸う場合にはその煙を吸うことで、また発展途上国では大気汚染によって生じることが知られています。症状は、咳や痰のほかに、動くときの息切れを認めます。しかし、タバコを吸っているせいとか、年をとったせいと思い込みがあったり、病気がゆっくり進むことで症状がわかりにくかったりして、なかなか医療機関にかからないのが現状です。

そして、この病気の診断には、肺の働きを評価する検査(スパイロ検査)を行う必要があります。ところが、現状では、肺の専門医(呼吸器科)や大きな病院でないと、このスパイロ検査が十分行われていないこともあり、医療機関にかかっても診断や治療されていない可能性もあります。実際、患者の割合は、40歳以上で10%程度いると推定され、日本で500万人程度、新潟県で18万人程度いると考えられていますが、全体の1割程度しか診断・治療を受けていません。この病気が原因で亡くなる方も年々増えおり、2020年には世界の死因の第4位になるという衝撃的な報告もあります。また、この病気があると、心筋梗塞や肺がん、肺炎、骨粗しょう症、糖尿病、うつ病などの病気になりやすくなることもわかっています。

この動いたときの息切れは、ある程度病気が進まないと出てこない症状で、気づかないうちにCOPDになっている可能性があります。したがって、40歳以上でタバコの煙を吸う状況にある方(あった方も)や、咳、痰や息切れを感じている方がいましたら、ぜひ一度、スパイロ検査を受けることをお勧めします。

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