市民のみなさまへ

新潟市医師会

がんの在宅療養

塚田 裕子

(中央区 在宅ケアクリニック川岸町)

がんがみつかると、病院で詳しい検査や治療を受けることになります。がんの治療は年々進歩していますが、完治しないことも多いのが実情です。病状によっては、ひとりででかけるのが難しくなったり、身の回りのことをするのに手助けが必要になったりすることもあります。そのような状況で「治療が一段落したので退院していいですよ。」と言われたらどうでしょうか?「やっと人に気を遣わずに気楽に過せる」と思う一方で「急に苦しくなったらどうしようか?」「ひとりでは外来に来られないので困ったなあ…」「家族に迷惑をかけてしまうんじゃないか?」と不安になる方も多いかと思います。そんな時に、あなたの力になれるのが、地域の在宅医・訪問看護師・ケアマネージャーなどです。まず、かかりつけの医師や近所の訪問看護ステーション、病院の相談支援センター・地域連携室などに相談してみましょう。在宅医は定期的な訪問診療で病状を把握し、必要に応じて電話で相談に応じ、往診をします。自宅で血液検査や点滴を行うことも可能です。病院主治医と連携し、外来受診の際に自宅での様子を報告したり、検査や入院が必要な場合に病院への連絡調整も行います。最近、薬の配達や、薬の使い方について自宅で指導を行ってくれる調剤薬局も出てきました。訪問看護師は病状のチェック、痰の吸引や床ずれの処置などをしたり、入浴や洗髪を手伝ったり、家族の相談に乗ったりします。ケアマネージャーは在宅医から病状についての情報提供を受けた上で、介護用ベッドなどの福祉用具のレンタルや訪問介護・訪問入浴のサービスを調整し、様々な福祉制度利用について説明し、ご本人と家族の負担をなるべく少なく、快適に生活できるように援助してくれます。病気は治っていなくても、家での自分の役割を果たしながら、自分らしい生活を安心して送るために、地域の医療・介護サービスを上手に利用していきましょう。

(2010.10.20)

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