市民のみなさまへ

新潟市医師会

糖尿病の最新の話題

村山 悟

(中央区 村山内科)

糖尿病のコントロールの指標として、過去1~2ヶ月間の血糖の平均を表すHbA1c(ヘモグロビンA1c)が用いられています。このHbA1cの表記方法が2012年4月より変更になりました。今までは日本独自のHbA1c(JDS)値が用いられていましたが、国際標準値化のためHbA1c(NGSP)値を使用することになりました。HbA1c(NGSP)値はおよそHbA1c(JDS)値+0.4%となります。この値は今までよりも高い数値として表記されますが、基準値も0.4%高くなりますので「血糖コントロールが悪化した」という心配はありません。また特定健診ではまだしばらくの間HbA1c(JDS)値が使用されますので、ご自身のHbA1c値がNGSP値で表記されているか、JDS値で表記されているかに十分注意して下さい。

遺伝因子と食習慣の変化や運動不足などの生活習慣が強く影響する2型糖尿病患者さんが急増しています。2007年国民健康・栄養調査では「糖尿病が強く疑われる人」が約890万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」が約1,320万人、両者の合計が約2,210万人にも達しており、今後さらに増加すると考えられます。2型糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法による生活習慣の改善ですが、これで血糖値の改善がなければ内服薬治療やインスリン治療が行われます。内服薬の1つとして2009年よりインクレチン関連薬のDPP-4阻害薬が発売されました。今までの内服薬やインスリンは低血糖や体重増加が懸念されていましたが、このDPP-4阻害薬は単独で内服すれば低血糖は起こさず、体重を増加させることもなく血糖を改善します。さらにインスリン(血糖を下げる唯一のホルモン)を分泌する膵臓のβ細胞を保護する作用があると考えられています。腎機能や肝機能に注意し、他剤との併用による低血糖に注意すれば非常に有用な糖尿病治療薬と考えられます。

最後に、糖尿病治療の基本は食事と運動であることを忘れないでください。食べ過ぎに注意し、間食を控え、適度な運動を行い、適切な体重を維持することが何より大切です。

(2012.5.18)

©2013 Medical Association of Niigata City.