市民のみなさまへ

新潟市医師会

在宅医療について

五十嵐 昭夫

(西蒲区 五十嵐医院)

高齢化の進行、医学の進歩で慢性疾患や後遺障害で長期の受療を必要とされる方が多くいらっしゃるようになりました。いずれ、外来通院が困難となれば、医師の訪問や往診を受けながら療養を続けなければなりません。医療技術の進歩、訪問看護、介護サービスの充実で、以前なら入院しなければ受けられなかった医療を住み慣れた自宅で受けることも可能になりました。在宅医療を受けながら、最期まで住み慣れた家庭での生活を大切にしたいと考えられる方も多くなりました。 このように身近となった在宅医療ですが、多くの方が次のような不安を抱かれます。在宅医療は24時間いつでも必要な時に必要な医療を受けられるのか?急に具合が悪くなったら直ぐに入院できるのか?介護をする家族がいない。そして、家族に迷惑をかけたくない等等です。いずれも尤もな心配だと思います。その不安に応えるため、在宅療養支援診療所の整備も進められています。そして、いつまでも住み慣れた地域で暮らし続けられるように医療と介護、福祉の連携を図る地域包括ケアシステムを築く努力が払われています。未だ不十分かもしれませんが、工夫、努力をすれば何とか補いをつけていくことができます。 それらの努力と共に、私達は老いや病いについての考え方を改めていく必要もあるようです。医療は未だ決して完璧ではありません。必ず訪れる老いや病い、そして死に対しては喧嘩をするばかりでなく、折りり合いをつける生き方、考え方も必要となってきています。 急速に進む高齢化で介護施設、病院は更に不足することが予想されます。「病んだら病院、不自由になったら施設、亡くなる時は病院」で済ますことはできません。将来の生き方を見通しながら、老いても死期に臨んでも相談できるかかりつけ医を得て、信頼関係を積み重ねる受療の仕方も大切かと思います。

(2012.11.13)

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