市民のみなさまへ

新潟市医師会

御用だ!ピロリ菌!!

佐藤 裕一

(新潟大学 第三内科)

“ピロリ菌”という名前、新聞やテレビで最近よく目にしませんか?このピロリ菌、発見されたのはたった30年前のこと。オーストラリアの病理医と研修医によって発見されたのですが、発見当初は、かなりの眉唾(まゆつば)ものとみられていました。しかし、その後の研究で、ピロリ菌が、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、さらに胃癌の原因になることが分かり、ピロリ菌は世紀の大発見となって、2人の医師はノーベル賞を受賞しました。実際、日本では、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の70-80%、胃癌にいたっては90%以上が、その原因はピロリ菌です。

ピロリ菌は、日本人の60-70%に感染しているとされ、しかも、ほとんどの場合、6歳までに家族からうつされています。そして一度感染すると、数十年にわたって人間の胃に住み続け、その間、持続的に胃に炎症を起こし(慢性胃炎)、ついには潰瘍や胃癌の原因になります。これまでは、潰瘍や胃癌になった患者に対してのみピロリ菌の除菌が認められていましたが、平成25年2月末より慢性胃炎の患者でもピロリ菌除菌が保険でできるようになりました。これで、ようやく胃潰瘍・十二指腸潰瘍や胃癌が、予防可能になる時代がやってきました。

特に、若い人たちは、ピロリ菌を除菌することで、胃癌はほぼ100%予防可能であることが予想されており、積極的に除菌することが望まれます。一方、高齢者でも、ピロリ菌除菌をすることにより、胃癌になる確率は減らすことができますので、こちらもピロリ菌検査をきちんとしてもらうことが大切です。

ただし、ピロリ菌を除菌する前に、必ず胃カメラで、胃癌がないことを確認する必要があります。新潟市の胃カメラ検診で構いません。ぜひ胃カメラとピロリ菌検査について、近くの医師にご相談ください。自分が胃癌や胃潰瘍・十二指腸潰瘍にならないために、また愛する子供さんやお孫さんにピロリ菌をうつさないためにも、ピロリ菌を調べて、除菌をしましょう。

(2013.4.9)

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