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新潟市医師会

タバコの煙が肺をむしばむ病気 ~慢性閉塞性肺疾患 COPD~

大平 徹郎

(国立病院機構西新潟中央病院 呼吸器センター内科)

タバコ関連疾患といえば、肺がんや心筋梗塞がその代表ですが、近年、命に関わる危険なタバコ病として、慢性閉塞性肺疾患への注目が高まっています。英語の頭文字をとってCOPD-Chronic(慢性) Obstructive(閉塞性) Pulmonary(肺) Disease(疾患)-とも呼ばれるこの病気、注目を集める理由は、大幅な患者数の増加です。国内の潜在患者数は500万人以上と推定され、2010年以降、日本人の死亡原因の第9位にのし上がってきました。年間16000人の命を奪うCOPDもまた、代表的なタバコ病として、知っておいていただきたい病名です。

COPDの主な症状は、40~50歳ころに自覚され始めます。階段や坂道を昇る時に息切れがする、同年代の人と同じペースで歩くのがつらい、咳やたんがしつこく続く、といった初期症状が特徴です。「年のせいかな」と油断しタバコを吸い続けると、病気が進行し、日常生活における息切れがエスカレートします。

以上の症状は、タバコの煙が肺をむしばむことが原因です。タバコに含まれる有害化学物質が、肺の中に入り込み、炎症をひきおこします。炎症が長引くと、知らないうちに肺の一部が壊れ、役に立たない「すきま」を形成します。タバコをやめないと「すきま」が増加して肺の働きが弱まり、症状が悪化するのです。

注意しなければならないのは、COPDの肺には「影」がないこと。そのため健康診断や人間ドックでは、しばしば「異常なし」と判定されます。喫煙者は安心してはいけません。

COPDをくい止める手段は明らかです。一刻も早くタバコと縁(煙)を切ることに尽きます。肺に「すきま」ができ、深刻な息切れをもたらすCOPDですが、これほど原因がはっきりしていて、対策も明確かつ安価(タバコをやめるだけ=0円(煙))な疾患はありません。たとえ自覚症状がなくとも、タバコによって日々肺は痛め続けられています。自力での禁煙は難しい、という方には、薬剤による禁煙治療という選択肢もあります。禁煙外来のある医療機関は、新潟県のホームページ「禁煙外来一覧 健康にいがた21」で検索可能です。

http://www.kenko-niigata.com/21/step2/tabaco/kinen_gairai.html

(2013.10.10)

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