市民のみなさまへ

新潟市医師会

お母さんがやせていると生まれてくる赤ちゃんは小さいの?

田中 憲一

(西区 新潟医療センター)

テレビ、新聞などで肥満解消に関するコマーシャルが氾濫していることでもお分かりのように、多くの若い女性では、やせたいという願いが強く、朝食を抜くなど不自然な食生活を送る方が多くなり、その結果、やせている女性の割合が増えているといわれています。一方日本で生まれる赤ちゃんの中で小さい赤ちゃん(低出生体重児)の割合は、約30年前の昭和55年の5.2%から平成21年は9.6%とほぼ倍に増えています。背景には、高齢出産が増えていることや、女性の強いやせ願望によるやせ体形の妊婦が増えている影響、あるいは妊娠中の体重増加量が少ないことなどが原因とみられています。近年の研究で、低出生体重児は生まれてから急に大きくなるときに代謝異常を引き起こし、少年期、青年期に肥満になりやすいといわれています。更に成人後には心血管障害の発症リスクが高くなる可能性等、新生児期、乳幼児期のみならず生涯を通じた健康への影響が心配されています。日本ではつい最近まで、「小さく産んで大きく育てる」が目標でした。日本での妊娠中の体重増加の推奨値(厚生労働省の「健やか親子21」)は、やせた体形の方で9~12キロ、普通の体形の方で(BMI=18.5以上25未満)で7~12キロとされています。米国の推奨値ではでは、やせた方で12.7~18.1キロ、普通の方で11.3~15.9キロであり、人種、食生活の違いなどで一概に比較はできませんが、指導の目安である体重増加の推奨値が米国に比較して低いとのご意見もあります。日本の20代女性は4人に1人がやせ体形であり、この痩せ体形の女性が妊娠しても同じ食生活を継続した場合、低出生体重児を出産するリスクが高くなる事が危惧されています。ご自身の健康のためはもちろん、健康な赤ちゃんを産むために栄養バランスを考えた、食生活の改善を考える事が重要と思われます。

(2014.7.16)

 
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