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新潟市医師会

高血圧には塩分制限が大切

細野 浩之

(東区 ほその循環器科・内科クリニック)

 血圧が高いとなぜいけないのでしょう。血圧が高い状態が続くと、血管に過度の負担がかかり、血管の壁は厚くなり、傷つきやすくなります。そこにコレステロールなどが付着して血管の内側が狭くなり、動脈硬化が進みます。そして脳卒中、心筋梗塞などの心臓病、腎不全などの病気の原因となるのです。高血圧の治療が大切なのは、動脈硬化が進行し、致死的な疾患に進展しないようにするためです。

 では血圧がなぜ高くなるのでしょうか。大きく分けて3つあります。①腎ナトリウム性因子:食塩を取りすぎると血液中のナトリウム量が増えます。それを薄めるために血液中に水分が引き込まれて体を回る血液量が増えます。増えた血液量が心臓の拍出量を増やし末梢の血管の抵抗を増加させて血圧を上昇させます。②血管収縮性因子:生体内で血管を収縮させる物質が産生されており、この血管収縮物質が増加しすぎると血管が収縮して血圧が上昇します。③交感神経性因子:交感神経活動が高ぶると心臓や動脈の収縮が高まって血圧が上昇します。

 これら血圧を上げる要因のうち、どれが一番大切でしょうか。私はやはり腎ナトリウム性因子、塩分の取りすぎだと思います。各人の自覚によって改善することができます。塩分を控えること、これは昔から重要視され実践されてきました。昭和30年代前半の東北地方の県では食塩摂取が1日27gにも達しており、中国地方の県と比べると約2倍の摂取量で、脳卒中死亡率も2倍以上ありました。その後減塩を進めそれに伴って脳卒中の死亡率も激減しました。現在の日本人の塩分摂取量は平成23年の調査では1日当たり男性11.4g、女性9.4gでした。しかし、それでもまだ多く、食事摂取基準では平成22年版で男性9.0g未満、女性7.5g未満としていましたが、平成27年版で男性8.0g未満、女性7.0g未満とさらに低い目標量としています。さて皆さんは1日何グラムの食塩を摂っているでしょうか。最近、栄養成分表示をした食品を多く見かけるようになり塩分摂取量を計算できるようになりました。時には、塩分や食塩と表示されず「ナトリウム○○g」の表示を見かけます。この場合、塩分相当量はナトリウム量の2.54倍してください。様々な情報を利用して、降圧剤に頼るだけでなく塩分制限も行って、血圧を少しでも下げていきましょう。

(2015.7.16)

 

 

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