市民のみなさまへ

新潟市医師会

眼は森

本山 まり子

コンタクトレンズの装用も広まり、今や若い方から中年まで、治療用はいうに及ばず、老眼用、乱視用、カラーレンズにドライアイ用、1日だけの使い捨てから2週間、1ヵ月の使い捨てと種類も増え、装用感も改善して来ました。

ところが便利な物は自然破壊の道へ続くことを、私達は知ってしまったのですが、これはエネルギーの問題だけではありません。自分の身体という自然について、コンタクトレンズのユーザーの皆さん、どうお考えでしょうか。

実はコンタクトレンズの無理な装用は、角膜内皮という細胞を少しずつ減らしていきます。ちょうど森がゆっくり砂漠化する様に。

角膜内皮はあなたの澄みきった黒眼、透明な角膜の内側にあって、たった一層の細胞でこの透明性を保っています。生まれたときには角膜1ミリ平方の中に3000個~5000個/mmの密度があり加齢によって減少していく。

そしてこの減少は酸素不足により加速される、としたら? そうなのです。無理をしての長時間装用や、ドライアイ、汚れたレンズ等によってこの細胞が2000個/mm以下になっている若い人が、時折見受けられます。80年以上人生があるのに70才になった時、どんなことになるのかと、やはり心配です。

近年、自動車を運転する必要から、視力改善をねらって白内障手術の時期が早くなっています。元気ならば、皆さん普通に手術を受けるようになるでしょう。

しかしこの手術を受けるには、内皮が丈夫である必要があるのです。内皮の密度が2000個/mmあれば大丈夫でしょう。眼科の定期検査を受けた時、調べてみましょう。個人差はありますが、自分だけの大切な自然の森と思って、眼をいたわって下さいね。眼は緑の森。コンタクトレンズの無理な装用は、大切な細胞を少しずつ壊していきます。

©2013 Medical Association of Niigata City.