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新潟市医師会

加齢黄斑変性症(高齢者に多く見られる眼疾患)

園田 愛子

加齢黄斑変性症は以前は老人性黄斑変性症ともいわれており、もともと欧米では多い病気ですが日本でも近年増加してきており成人の失明の最大の原因になりつつあります。

眼球の一番後ろにあり網膜の中心部分で視線の当たるあたりを黄斑部といいます。この部に異常があると視力が落ちます。このあたりの組織をもう少し説明しましょう。黄斑部網膜の下には血管に富んだ脈絡膜という組織があり網膜の栄養補給をしています。この網膜と脈絡膜の間には網膜色素上皮細胞層という組織があります。この網膜色素上皮細胞層が老化で壊れて脈絡膜から網膜の方へ新生血管というもろい血管が侵入してくる病気が加齢黄斑変性症です。侵入した血管はもろく、出血や腫れを引き起こし、さらには繊維性の膜を形成します。

自覚症状としては変視症(見たい部分が歪んで見える)で発症することが多く、進行してくると視力低下や中心暗点(見たい部分が見えにくくなる)を生じます。

この病気を起しやすい年代は70歳代以後で、女性よりも男性が多く、両眼に発症することもまれではありません。網膜色素上皮層が壊れるメカニズムや新生血管が侵入してくるメカニズムはまだよくわからない部分が多くこれからの究明が待たれるところです。老化以外では喫煙歴が危険因子です。

最近この病気に対する効果的な治療法が開発されました。光線化学療法といいますが、頭文字をとってPDT療法といいます。光に反応する薬剤を静脈注射し、病変部に集まった薬剤に弱いレーザー光をあてて新生血管だけを壊してしまう方法です。今までの内服薬での治療法や強いレーザー光で病変部を直接凝固する方法と比べて治療成績はあきらかによくなっています。ただすべての加齢黄斑変性症の症例にできるものではなく、また治療できる施設も限られていますので詳しいことは眼科専門医にご相談ください。

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