市民のみなさまへ

新潟市医師会

3D時代

阿部 達也

(西区 くろさき眼科)

2010年は映画『アバター』に代表される立体映像の普及から「3D元年」と言われました。その後私たちの身の回りには3Dを採用した機器が増えています。

3Dテレビは各メーカーから次々と発売されています。現在立体映像を見るための方式としては、「二眼式表示」という方法が採用されています。これは、簡単に言うと左右の眼に別々の映像を見させる人為的な方法です。専用の眼鏡をかけるのは最も簡単なやり方です。この結果、様々な問題が生じています。専門的には近視化、縮瞳、輻輳過多、調節障害などが起こります。一言で言うと「眼が疲れる」ということです。

幼児ではその影響がより大きくなります。その理由は、3D映像が大人の左右の瞳の中心間の距離を基準に作られているため、この距離の短い子供が見ると立体感がより強く感じられるからです。立体感を感じることを立体視といいますが、未発達な幼児が長期的に3D映像の視聴を続けた場合の影響は現在のところ不明です。これまでに、幼児で3D映像を見た後に急性内斜視(目が内側に寄った状態が続く)を発症したという報告もあります。現時点では、幼児は視聴をしない方がよいようです。2011年2月に発売された3Dゲーム機の「ニンテンドー3DS」についても、発売元の任天堂は6歳以下の小児は使用を控えるように言っています。テレビコマーシャルの画面の下にもこのことが小さい文字で書かれています。

大人でも連続した3D映像の視聴は15分内に留めるべきといわれています。しかし15分で終了する映画、テレビ番組やゲームソフトはありません。眼に負担をかけない新しい3D映像の開発が待たれます。

(2011.9.13)

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