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新潟市医師会

加齢黄斑変性症について

井海 雄介

(中央区 いかい眼科)

 網膜の中心部は黄斑と呼ばれ、ものを見るときに最も大切な働きをします。この黄斑の働きによって私達は良い視力を維持したり、色の判別を行ったりします。この黄斑が加齢にともなって異常をきたした状態を加齢黄斑変性といいます。症状は、視野の中央がよく見えない、ゆがむ、暗く見える、などです。最初は片方の眼に発症し程度も軽いために、年のせいと勘違いしている患者さんも少なくありません。しかし、徐々に、病型によっては急速に、視力が低下してしまいます。以下の二つのタイプがあります。①萎縮型:黄斑の組織が加齢とともに萎縮してくるタイプです。黄斑に地図状の萎縮病巣ができます。詳しい原因はまだよくわかっていません。現在のところまだ有効な治療法はありませんが進行は遅いことが多いです。②滲出型: 健康な状態では存在しない新生血管と呼ばれる異常な血管が、黄斑部に伸びてくるタイプです。新生血管からの出血や黄斑浮腫などで黄斑機能が障害されます。萎縮型よりも進行が早く、新生血管の成長とともに、視力低下や、物がゆがんで見える、中央の視野が欠ける、などの症状が悪化していきます。急速に黄斑組織は破壊されていき、高度の視力障害が残ってしまいます。

 病気の進行度や重症度、また病気のタイプによって治療法はいくつかに分かれています。

 滲出型では新生血管が黄斑の真ん中(中心窩)になければ、新生血管に対するレーザー光凝固で新生血管を焼きつぶします。中心窩にある場合には、抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬が第一選択になります。新生血管の発生、発育を抑制する効果のある抗血管内皮増殖因子を眼の中、つまり硝子体内に注射します。なんどか繰り返し注射することにより新生血管の消退を目指します。

 光線力学療法といって、光を感じやすくする薬と弱いレーザー光を使って新生血管を血栓で詰まらせる方法もあります。日本人に多いポリープを示すタイプには光線力学療法が有用です。出血の予防のため止血剤を内服したり、黄斑に新鮮な出血が多いときには、黄斑部から出血を移動させるため眼内にガス注入などの処置をすることもあります。

 中心窩の新生血管に対しては、新生血管の大きさや活動性、病気のタイプ、全身状態などによって個々に治療法を決める必要があります。主治医の先生とよく相談して治療を選択してもらいたいと思います。

(2015.9.28)

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