市民のみなさまへ

新潟市医師会

色覚検査と色覚異常

須田 生英子

(中央区 めいけ眼科クリニック)

 私の世代は学校で毎年受けていた色覚検査ですが、平成15年より定期健康診断から除外され、若い世代では色覚検査を知らない方がいらっしゃるかもしれません。

 そもそも色覚とは、私たちが目に見える範囲の可視光線(400~800 nm)に含まれている波長の違いによっておこる感覚をいいます。網膜には、長波長(565 nm)、中波長(545 nm)、短波長(440 nm)付近の光に高い感度を示す3種類の細胞(錐体:すいたい)があり、それぞれL-錐体、M-錐体、S-錐体と呼ばれています。目に光が入るとそれぞれの錐体が波長に応じた反応を示すことで、その情報が脳に伝わり色として感じられます。各錐体の特性をつかさどる視物質に異常が生じると波長に対する色の感覚も変化し、これを医学的に色覚異常と呼んでいます。

 平成26年4月30日に文部科学省は学校保健安全法施行規則の一部を改正し、希望者を対象として学校での色覚検査を復活させました。色覚検査には種々の方法がありますが、一般には「石原式色覚検査表」が用いられています。様々な色の水玉模様で描かれた図の中から数字を読み取る検査です。この検査で異常が認められた場合、さらに「パネルD-15」という検査を行います。これは14個の色パネルの中から最初に提示された1個の色パネルに最も近い色をまず隣に並べ、並べた色パネルに最も近い色を残りの色から選んで並べる、ということを繰り返していって、15色が順番通りに並べられるかを調べる検査です。色覚の違いによって異なるパターンで色が並べられていくため大まかな色覚異常の程度やタイプの判定に用います。色覚異常の確定診断には、「アノマロスコープ」という特別な器械を用いた検査が必要となりますが、この器械を備えている施設は県内でごくわずかしかありません。色覚異常が疑われた場合にはまずかかりつけの眼科でご相談ください。

 色覚異常を色が全く分からない、と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、程度の強い色覚異常の方でも日常生活にはほとんど支障はありません。ただし、薄暗い場所や瞬時の判断、対象物が小さい場合などには色の識別が困難なこともありますので、その点は注意してください。また、職業を選択される際に色覚異常が原因で制限されることはほとんどなくなってきていますが、海上保安官、航空機乗務員、電車運転士など一瞬の判断が求められる一部の職種では厳密な制限が設けられています。

 もし色覚に関して不明な点、不安なことがありましたら、お気軽に近くの眼科医にお尋ねください。

(2016.9.21)

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