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新潟市医師会

「五十肩」は治せる病気です

小林 辰次

「五十肩」と聞いて、どんな病気を思い浮かべるでしょうか?(「肩こり」は肩関節ではなく、首スジの病気で別物!)。一般的には、「50歳頃に自然におこる肩の痛み」、「五十肩には特別の治療法はないが、数カ月!)1年もすれば自然に治る」、「アイロン体操がいいようだ」、「病院に行っても治らないから、針・灸がいい」などと思われているようです。今では「五十肩の多くは短期間に治癒させることができ、自然に治癒したと思っていても、強い拘縮(関節の動く範囲が狭くなること)を残したり、腱板断裂(肩の関節を作っているスジが切れること)に進行している場合も少なくない」と修正すべきです。

体重を支えるのが主目的の股関節とは異なり、肩関節は自由で大きな動きが必要なため骨性の関節部分は小さく、肩関節の上をおおう腱板・肩峰下滑液包などの軟部組織で機能的肩関節を作っておりスジの炎症をおこしやすい特徴があります。若いうちは一晩寝ればとれる炎症が、30歳代後半になると腱の変性・血流の低下などにより徐々に炎症の治りが悪くなり五十肩(正式病名は肩関節周囲炎)の症状ができあがります。したがって年齢に上限はなく80歳でも五十肩です。

五十肩は、初期の腱板炎・肩峰下滑液包炎の段階で診断し早期に治療を開始すれば、短期間の保存的治療(消炎鎮痛剤、リハビリ、数回の注射)で拘縮も残さず治癒させることが可能です。また、腱板断裂を生じていても、部分断裂ないしは小断裂の段階で発見できれば、手術・リハビリともに比較的簡単にすみます。これを放置すると、手術も大がかりとなる広範囲断裂へと進行し、その結果関節症変化(軟骨や骨が削られて関節が変形すること)を生じ、慢性的な疼痛の原因となることがあります。それだけに、早期発見・早期治療が重要となります。肩の痛みで悩んでいる人がいたら、整形外科への受診を勧めてみてください。

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