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新潟市医師会

筋力トレーニングと筋肉痛について

石坂 眞樹

筋肉は数千本の筋繊維が束になってできています。筋繊維は筋膜と呼ばれる結合組織によって包まれており、トレーニングなどで筋肉に過負荷がかかるとその筋繊維が微視的レベルで損傷します。そして、切れた筋繊維が修復する際に前と同じ太さではまた同じ負荷で切れてしまうため、以前よりわずかに太く修復されます。この現象を「超回復」といい、この時期にトレーニングを実施していけば筋肉が太く強くなっていくことになります。ちなみにこの疲労回復時間は個人差がありますが一般的に24~48時間といわれており、初心者が筋力アップを目的にトレーニングを行う時には、回復期間を48時間と設定し1日おきに週3日間のトレーニングを行うことを基本とします。

ところで筋肉痛はこの修復の段階で傷ついた筋繊維を白血球が取り除こうとする時に発生する発痛物質が筋膜だけにある痛覚(筋繊維にはない)を刺激しておこる痛みのことをいいます。また中等度の運動を長い時間続けた時に発生する乳酸という物質が筋肉にたまって毛細血管をつまらせ酸素が運ばれなくなった時に生ずる鈍い痛みも筋肉痛の原因と考えられます。年をとると筋肉痛が2、3日後におこる原因は、加齢とともに毛細血管の流れが悪くなって白血球が集まりにくくなり、傷ついた筋繊維を取り除くのに時間がかかって発痛物質の発生が遅れ、痛みを感じるのが遅くなるためと考えられています。筋繊維の損傷は筋肉が温まっていないときに生じやすいので、運動する際にはウオーミングアップを十分に行い、また運動の終了時には軽いジョギングやストレッチなどのクールダウンを行い、帰宅後もストレッチやマッサージ、入浴により体を温めることで血液の循環をよくして傷ついた筋繊維が早く修復されるように心がけましょう。筋肉痛はほとんどの人が3日もすれば回復します。1週間やそれ以上長引くことがあったら医師に相談することをお勧めします。

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