市民のみなさまへ

新潟市医師会

子どものあしの痛み(下肢の痛み)

本間 政文

(中央区 ほんま整形外科)

初めにここで言う「下肢」とは、股の付け根から足の先までをさします。子どもにとって下肢痛は頻度の多い訴えです。小さな子どもは大人と違い自分の痛みを的確に表現できないため、医療機関に連れて行かなければならない状態か親御さんも迷うことが多いのではないでしょうか。以下、病院受診が必要な下肢痛について概説してみます。下肢痛の原因には日常よくみかける治り易いものや、まれであっても治りにくく見落とせない重要なものがあります。

まず跛行(足をひきずること)がある場合は何かしらの病的状態がありますので、痛みのあるなしにかかわらず早めの医療機関の受診が必要です。原因は、単純性股関節炎(ウイルス感染によるとされている股関節の腫れ.3週間ほどで後遺症残さず治癒する.頻度的に非常に多い)、ぺルテス病(大腿骨の股つけね部分の血行障害.治癒に2年ほど要し後遺症も残ることが多い.膝を痛がることが多いため股関節の病気に気づかれず見逃されやすい)、化膿性股関節炎ないし骨髄炎(関節や骨に膿がたまる.乳幼児に多く緊急に手術が必要.乳児ではオムツ換え時に痛がって泣くのが特徴)などがあります。そのほか痛みを生じる様々な病気で跛行が出ます。跛行があれば病気ありと考えていただいてよいと思います。

痛みを訴える子どもの下肢のどこかに、熱感腫れ圧痛発赤のいずれかの炎症症状が、怪我した覚え(外傷)がないのに、ひとつでも見つかればやはり医療機関を受診し、正確な診断をつける必要があります。局所にはっきりした上述の炎症症状がある場合は、全身性の発熱もチェックしておいた方がよいでしょう。原因は、小児関節リウマチとその類縁疾患(股、膝、足各関節の腫れ.ひとつの関節だけ腫れる場合もあります)、悪性腫瘍(骨肉腫や白血病など.まれではありますが見落としてはならないものです)、出血傾向(血管や血液の問題で出血し易くなる病気.発赤や痛みが移動することもあり.出血で関節が腫れることも)などがあります。

一方、昼は普通に飛び跳ねているのに、夜になると痛いよーと泣き叫ぶ夜のみの下肢痛を訴えることがあります。この場合、痛みを訴える部位が日によって変わる、例えば左膝を痛いといっていたのに翌日の夜は右が痛いというように部位が変わり、昼間痛がらない場合はまず重大な病気はないと考えてよいでしょう。いわゆる成長痛というものです。ただし、訴える部位がいつも同じで、毎日のように何週間も症状が続く場合は、夜間痛みの出る骨腫瘍もありますので、医療機関の受診が必要になります。

(2012.1.17)

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