市民のみなさまへ

新潟市医師会

大腿部の痛みについて

早津 和則

(中央区 はやつ医院)

人が移動する際に重要な動力源となる大腿部、いわゆる太ももの部分は人が立って歩いたり、走ったり、飛び跳ねたりするのに重要な役割をはたしています。

太ももの痛みを訴えて診療所を受診する患者さんは、明らかな原因(ぶつけたなどの外傷)が思い当たらずに受診される方も多く、太ももが痛いという方の中には膝関節近傍の痛みを含んでいる方や、股関節の近傍の痛みの方もおり、痛みの部位だけでも様々な方がおられます。また、運動時の痛みである場合や安静時の場合もあり、痛みの性質にも違いがみられます。

大腿部の機能のみで人は移動できるわけではなく、人が歩行する際は、隣接する股関節や膝関節の複雑な動きと、腰から足先までの下肢全体の機能が大きくかかわっているのです。人が歩いて前進する際には体重の3倍以上の床反力を生じることで、身体全体を前方に押しやることができています。

運動器としての重要な機能を持っているため、ことさらその部位の機能障害のみに目が行きやすく、一般の方は太ももの痛みを訴えて受診したのに、腰椎を調べられたり、膝関節、股関節を調べられたりすることに疑問を持つ方も多いと思われます。

原因の検索に関しては運動器疾患を専門に扱う整形外科の診療が必要です。整形外科を受診することでその痛みの原因を正確に突き止め、治療することができます。太ももが痛いと悩み続けることなく、早めにぜひ一度、整形外科を受診してみてください。

(2013.3.6)

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