市民のみなさまへ

新潟市医師会

原因のわからない頭痛や肩こり 眼瞼下垂が原因の場合があります。

山本 光宏

(中央区 やまもと形成外科クリニック)

 上まぶたは、上眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉の収縮によって上がります。この上眼瞼挙筋は、途中から腱膜(けんまく)という膜となり、これはまぶたにある硬い瞼板という組織に付着しています。上眼瞼挙筋が収縮すると、腱膜に引っ張られるようにして瞼板が持ち上がり、まぶたが開きます。

 しかし、加齢により腱膜が瞼板(けんばん)からはがれ薄く伸びてしまうと、筋肉の力をまぶたに伝えることができなくなりまぶたが上がらなくなってきます。これが眼瞼下垂です。

 眼瞼下垂は軽度であれば日常生活に支障はありませんが、中程度になると次第に上の方が見えにくくなります。それを補うために患者さんは無意識におでこの筋肉を収縮させて眉毛を上げたり、頭を後ろに傾けたりして視野を広くしようとします。このような状態が続くと色々な症状が起きてきます。

 症状としては、まぶたが下がる、目が開けにくい、おでこのシワが増えてくる、いつも眠たそうにみられる、いつも眉を上げている、夕方からまぶたが重くなり目が疲れてくる、アゴをあげて話す癖がある、二重の幅が広がってくる、まぶたの上がくぼんでくる、頭痛・肩こりがおこる、不眠・うつ・便秘・手掌の発汗が強くなるなどの自律神経症状など起きてきます。

 原因の多くは加齢ですが、その他ではハードコンタクトレンズを長期期間使用していた人や白内障手術・緑内障手術などの内眼手術を受けた人にも起こることが分かってきました。

 治療は、局所麻酔下に二重まぶたのしわに沿って皮膚を切開し、ゆるんでいる挙筋腱膜を瞼板に固定する眼瞼挙筋腱膜固定術が行われています。手術により視野が広くなり、また頭痛や肩こりが改善される場合があります。また、眼瞼下垂の手術は美容目的で行うわけではありませんが、まぶたが上がるようになると見た目も若くなり、活動範囲も広くなります。

 頭痛や肩こりの原因が全て眼瞼下垂ではありませんが、まぶたが下がっていて原因のわからない頭痛や肩こりがある方は、形成外科や眼科を受診されては如何でしょうか。

(2017.1.26)

 

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