市民のみなさまへ

新潟市医師会

鼻血

川崎 克

(東区 空港前クリニック)

鼻血は普通の場合は少量で簡単に止まりますが、なかなか止まらず、不安、不穏、出血性ショックで、救急搬送される患者を経験します。

鼻の粘膜には多くの血管が通っているため、出血し易い環境にあるのです。鼻に入る血管は内頸動脈系の前後部篩骨動脈、外頸動脈系の蝶口蓋、大口蓋動脈に大きく分類されます。血管は鼻中隔(鼻の左右の仕切り)の前方に集まり、静脈の集合体(叢)を形成します。出血しやすい場所は前方、上方、後方の大きく3か所に分けられます。

鼻血は①鼻の局所に疾患があって出血するもの(アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、副鼻腔腫瘍、鼻粘膜湿疹など)②全身に疾患があって出血するもの(高血圧など循環器系疾患、白血病など血液疾患、血液をサラサラにするお薬の服用の方、遺伝性血管腫など)③特にはっきりとした原因がないものに分けられます。鼻をよくさわる場合も原因になります。

小児では鼻腔前方からの鼻血で止まり易いものが多く、成人では鼻腔後方からで止めにくい場合が多くなります。救急を要する鼻血は、50歳以上の男性で増加、夏に少ない傾向にあります。

応急処置です。鼻腔前方からの出血の場合は鼻翼いわゆる小鼻を押さえます。止まらない場合は上半身(頭部)をやや高くした状態で横を向いて寝てもらい、血を飲み込まないようにし、医院または病院に受診してもらいます。救急搬送が必要な場合もあります。

治療方法です。原因疾患がある場合はその治療を行います。出血が少ない場合は局所処置としては薬液塗布、内服治療します。出血部位が分からず、出血が多い場合は鼻の中にガーゼを挿入し圧迫して血を止めます。部位が分かる場合は焼約術を行います。

鼻血の比較的止めやすい部位は約60%で、約40%は止めにくい部位です。入院治療の可能性も高まります。誰でも鼻血の可能性がありますが、成人では、規則正しい生活、基礎疾患の治療をして鼻血の予防をすることが重要と考えられます。

(2013.6.27)

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