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新潟市医師会

寒暖差アレルギーとは何か?

                                          樋口 豊

                            (中央区  ひぐち耳鼻科クリニック)

ここ数年、季節の変わり目や日中の温度差が激しい時期に風邪でもないのに鼻水、くしゃみをくりかえすといった症状を訴える患者さんから「私は寒暖差アレルギーでしょうか」と訊かれることがしばしばあります。 温度差アレルギーといわれることもありますが、平成23年11月にテレビの報道番組で気温差が激しい季節にくしゃみ、鼻水、鼻づまりといったアレルギー性鼻炎のような症状が現れることを、「寒暖差アレルギー」と紹介され、以後この名称がマスコミ、ネットを介して広がったようです。 寒暖差アレルギーという名前は実は俗称で医学的には「血管運動性鼻炎」といいます。アレルギー性鼻炎と症状は似ていますがアレルギーの関与はありません。 アレルギー性鼻炎の場合、鼻から吸い込まれたホコリ、ダニ、花粉といった抗原(アレルゲン)が、鼻の粘膜でアレルギー反応を起こしてくしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状をおこします。それに対して、血管運動性鼻炎は、特定のはっきりとした原因が不明です。気候の変化や温度差の激しい環境以外にも、たばこの煙や刺激的な臭いなども症状を引き起こします。それらの外的な要因で、鼻粘膜の自律神経のバランスが崩れることによってアレルギー性鼻炎と同様の症状を起こします。鼻水、くしゃみが主な症状で鼻づまりのみを訴えることは少なく、目のかゆみもほとんどありません。 アレルギー性鼻炎の治療では抗原の除去・吸入回避が重要ですが、血管運動性鼻炎は、アレルギー反応で起こっているものではないので、症状を抑える対症療法が主体になります。薬物治療では、抗ヒスタミン薬などの内服薬、副腎皮質ホルモンや抗ヒスタミン剤が含まれる点鼻薬が主に使われます。 症状だけでは両者を区別することはできませんので、このような症状でお悩みの方は、まず耳鼻咽喉科専門医と相談の上、症状がアレルゲンによるものなのか、そうではないのかを検査した上で、その方に合った治療を受けることをお勧めいたします。

(2014.7.2)

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