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新潟市医師会

小児インフルエンザの最近の話題

庄司 義興

小児におけるインフルエンザの症状は小学生以上では、高熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感などの全身症状で突然発症し、続いて鼻汁や咳などの呼吸器症状が出現します。乳幼児では、インフルエンザ特有の全身症状(頭痛、倦怠感、筋肉痛)などがはっきりしないので、診断が難しくなります。鼻汁、咳などの呼吸器症状が中心となりますが、乳幼児では高熱で熱性けいれんの合併もみられます。また、発熱は数日持続し解熱した後、半日~1日して再び高熱がしばしばみられます。これを2峰性の熱とよびます。腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状も大人に比べて多いものです。病気の中では重症で少なくとも治癒するまでは1週間程度は必要です。

インフルエンザの診断は最近簡単に調べられる検査キットがでています。外来で15分から30分程度で結果がわかりますので、大変有用です。インフルエンザかなと思ったら、なるべく早く医療機関の受診をお勧めします。診断が早ければすばやく対応もできますが、検査キットが品薄で、測定できない医療機関もでてきそうです。

治療に関してですが、インフルエンザに有効な薬剤もでています。小児には現在のところ、A型のインフルエンザに効く薬(アマンタジン)はありますが、副作用の問題や、耐性ウィルスの出現の問題などでその使用には注意が必要です。また使用する時期が早期でないと効果がないということもあります。A型B型のどちらにでも効くという薬が大人ではもうすでに昨シーズンから使用されていますが、小児でももう少し(2002年1月?)で使用できそうです。そうなるとインフルエンザの治療もかなり変わってくると思います。

「インフルエンザの薬があれば、予防接種はしなくともよいのでは」と考える方も多いと思います。でも薬は早期に使った場合にのみ有効ですが、発熱が数日続いたのち、インフルエンザと分かってからでは効果はありません。また乳幼児の場合は時に脳炎、脳症などを起こし、平均1.4日で治療に全く反応せず死亡することがあります。インフルエンザの予防接種は効果の面で無効だとか、やってもかかることがあるとかで意味がないと考える人もいるようですが、少なくとも重症化をさけることができます。インフルエンザは単なる風邪ではなく重症な感染症です。治療よりも予防が大切なのは言うまでもありません。冬になると必ずインフルエンザが出現します。十分な準備をして、インフルエンザに罹らずに、寒い冬を元気で乗り切りましょう。

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