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新潟市医師会

感染性腸炎に行われる経口補水療法について

大河原 信人

(下越病院)

幼児は成人に比べて、脱水症になりやすいと言われています。原因となる病気として、ロタウイルスなど感染性腸炎に伴うことが多く経験されます。脱水症の予防・治療の一つとして、経口補水療法が現在注目されています。

感染性腸炎に際して、一時期、固形物を禁じ、真水(または麦茶など)を飲ませることがありました。また、市販される一般のスポーツ飲料そのものか、それを薄めて飲ませることもありました。これらの方法はブドウ糖やナトリウムの摂取不足を招き、患者によってはけいれんや意識障害などに発展する危険性があります。

現在では、これらを踏まえて、改良された経口補水液(ORS)を飲ませるようになりました。早く吸収されるようにブドウ糖とナトリウムを適度に配合し、浸透圧をやや低く(250mOsm/kg程度)しています。市販されているものは、「OS1」、「アクアライトORS」、「アクアサーナORS」です。医師が処方する「ソリタ顆粒」もあります。これらは、腸そのものが脱水や栄養不良でやせてしまうことを防ぎ、感染性腸炎に引き続く長引く下痢症も防ぐ効果もあります。

基本となる飲ませ方は、下痢の始まりから、その都度、失った水分量(例;100ml前後)を与えることです。嘔吐があっても、少しずつ頻回に与えます(例;5mlを5分毎に)。実際の飲ませ方は、かかりつけ医の助言によると良いでしょう。次いで、年齢相当の哺乳・食事を早期に再開することも大切です。

嘔吐・下痢以外に強い腹痛や血便などがある、水様性下痢が多量かつ頻回である、工夫しても経口補水液をうまく飲めない場合などは、医師の診察が必要になることがあります。呼吸が荒く速い、妙に大人しい場合などは、緊急性があるかもしれません。かかりつけ医や急患センターに御相談下さい。

(2010.4.21)

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