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新潟市医師会

赤ちゃんが生まれたら、「新生児聴覚スクリーニング」を受けましょう!

大橋 美奈子

(中央区 大橋みなこキッズクリニック)

  聴力の障害を持つ赤ちゃんの頻度は、およそ1000人に一人です。赤ちゃんは、自分から耳の聞こえにくさを訴えることができません。音への反応の鈍さや言葉の遅れに気づかれる前に、「新生児聴覚スクリーニング」を受けましょう。

Q.  新生児聴覚スクリーニングは、いつするのがよいでしょうか?

A. 生まれたらすぐ、産科に入院中に実施することが理想です。主にAABR(自動聴性脳幹反応)という検査を行います。検査で「要再検」と判定された場合、退院後に専門の耳鼻科を受診して難聴がないかどうか精密検査をします。ただし、検査で「要再検」と判定されても、必ずしも難聴とは限りません。羊水が耳の中に残っていて聞こえにくい場合もあります。

 

Q. 難聴であることがわかったら、どんな治療をしますか?

A.  専門の耳鼻科で診察を受け赤ちゃんが難聴と確定診断された場合は、補聴器を付けます。これにより、家族の声をよく聴こうとする傾聴態度が現れ、やがて、その声を真似て声を出し始めます。これを繰り返しながら、言葉を話すようになります。もし、家族の声が聞こえにくいまま放置されれば、言葉の遅れが出てしまいます。

 

Q. AABRはどんな検査ですか?

A. 赤ちゃんが深く眠っている授乳後などに行います。額と後頸部に記録用電極を付けて、ヘッドホンから音を聞かせて測定します。啼泣により中断しなければ、たった数分で終わります。赤ちゃんに負担をかけない安全な検査です。

 新潟県ではお産ができるほぼ全ての施設で新生児聴覚スクリーニングが受けられますが、他県など検査を実施していない所で出生される場合もあります。その場合は、すみやかにお近くの病院、または産科クリニック等の検査ができる医療機関にお問い合わせの上、お申し込み下さい。

 補聴器や人工内耳による治療は、飛躍的な進歩を遂げています。現在、聴覚障害を持つお子様の多くが補聴器や人工内耳を装用して通常学級に進学しています。高い治療効果を得るためには、早期発見が何より大切です。新潟県の新生児聴覚スクリーニング検査率は約90%であり、10%の赤ちゃんは検査を受けていないのが現状です。赤ちゃんが生まれたら、必ず新生児聴覚スクリーニングを受けましょう。

(2015.7.16)

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