市民のみなさまへ

新潟市医師会

パニック障害

中野 靖子

これはその名の通り、パニック発作が繰り返し起きる病気です。典型的な例では、夜自宅でくつろいでいる時など、何ら特別なきっかけなしに、突然強い不安を伴う動悸や息苦しさの発作に見舞われて発症します。この発作がパニック発作です。一回の発作は数分から数十分程度で自然に治ります。しかしその後も発作は再発し、発作を繰り返すうちに、『また発作が起きるのできないかと怖れる不安(これを予期不安と言います)』が生じ、発作が起きるのが怖くて一人で外出できなくなる場合もあります。

パニック障害は、百人中一~二人にみられると言われています。典型的でない例も含めますと、十人に一人はいると見積もられるそうです。実際に来る患者さんの中でも、パニック障害の方が比較的多いような印象があります。原因ははっきり分かっておりませんが、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることによって起きると考えられています。「気の持ちようじゃないか」と言われる患者さんもいますが、単なる気のせいではなく病気である、という認識が必要です。

治療としては、薬物療法や認知行動療法などがありますが、パニック発作をできるだけ早く安全に消失させることがもっとも大切です。早期に薬によるきちんとした治療を行えば、ほとんどの患者さんで発作をコントロールすることができます。ここで大切なのは、十分な量の薬物を十分な期間使用することです。‘精神科の薬’に対する不安から、薬の増量を嫌がったり、症状がなくなると直ぐに薬を中止される方がいます。しかし、症状が残っていれば十分な量とはいえませんし、再発防止のためには、症状消失後もある程度の期間服薬を続けることが必要です。薬については主治医の先生とよく相談してから決めるようにして下さい。

最後になりましたが、パニック発作では動悸、胸痛といった身体の症状がみられます。実際に身体の病気が原因である場合もありますので、最初から安易にパニック発作と決めつけず、必要最小限の身体的な診察・検査は受けておきましょう。

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