市民のみなさまへ

新潟市医師会

社会的ひきこもり

坂井 正晴

さまざまな要因によって就労、就学、親密な対人関係を持つなどの社会参加ができず、自宅以外での生活の場が長期に(おおむね6ヵ月以上)失われている状態で、明確な精神疾患がその原因ではないものを「社会的ひきこもり」と呼ばれています。

全国で数十万人以上存在し、年々増加しているといわれていますが、その実態は正確には把握されていません。明確な精神疾患が原因ではありませんが、不安や葛藤があり、一次的に対人恐怖、強迫症状、不眠や昼夜逆転、抑うつ、摂食障害、退行、家庭内暴力などの症状を呈することがしばしば見られます。そのために家族、社会との接触を一層困難にし、家族の不安、焦りが本人を追いつめ、ひきこもりを長期化させるという悪循環に陥ってしまうようです。

この悪循環から抜け出すには、家族だけで問題を抱え込まず、他者の介入が有効です。ひきこもりの性質上本人が積極的に治療や相談をもとめることは少なく、家族への援助、相談をしばらく続けながら本人の参加をもつことが多くなります。不眠や抑うつなどの症状にたいして、対症療法的に薬物療法がある程度有効な場合もありますが、特効薬ではなく、ひきこもりを劇的に改善させるわけではありません。お説教や正論で改善することはなく、むしろ悪影響を与えてしまうかもしれません。粘り強い対応が必要です。

本人や家族だけで問題を抱え込み苦しむことから一歩踏み出し、人の力を借りることが問題解決に役立ちます。専門医、精神保健福祉センター、保健所などの相談機関、家族会、民間の支援組織などで相談されることをお勧めします。

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