市民のみなさまへ

新潟市医師会

心的外傷後ストレス障害について

鈴木 健司

新潟県中越地震、スマトラ沖地震・インド洋大津波と大きな自然災害が続きましたが、危うく死にそうになったり大怪我をしそうになったりと極度なストレスに曝された後に、心的外傷後ストレス障害を生じることがあります。

体験する外傷的後ストレス因子の内容は、生命を脅かすような非常に強いもので、大きな自然災害、戦争、激しい暴行を受けること、悲惨な事故、などが含まれます。

これらの出来事はいろいろな形で再体験されます。その人は、たいてい、その出来事を繰り返し思い返したり、その出来事が再現される苦痛な夢を反復して見ています。時には、その出来事をたった今体験しているかの様に振舞うこともあります。また、外傷となる出来事を象徴するような刺激に曝されることで、強い心理的苦痛や生理的な苦痛が起こってきます。眠れない・怒りやすい・集中できない・警戒が過ぎる・ちょっとした事でびっくりする等、心的外傷を受ける以前にはみられなかった症状も出てきます。

そのために、心的外傷と関連した刺激を常に回避することになります。つまり、つらいことを思い起こさせる場所・人・話題などを避けるようになります。障害を引き起こした出来事を思い起こすことができなくなることもあります。

症状の持続期間はさまざまで、約半数の方では3ヶ月以内に完全回復しますが、残りの半数は外傷を受けてから12ヶ月以上たっても症状が持続しています。

心的外傷からの回復の第一歩は安全感の確保とされ、治療としては心理療法が重要です。また、薬物療法なども行われます。

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