市民のみなさまへ

新潟市医師会

「いつもの夫(妻)/部下とは違う」 家庭や職場でのメンタルヘルス

村竹 辰之

このところメンタルヘルスへの関心が高まっております。例えば平成17年度の学校の先生の病気による長期休職の6割が精神疾患によるものであり、以前とくらべて大きく増えております。その多くがうつ病ですが、学校に限らず一般企業においても同様でありますし、職場以外の家庭や地域においても、また就労世代以外の若年者や高齢者においてもうつ病対策はメンタルヘルスの中心になっています。

そもそも「抑うつ」という心理状態は健康な方にもみられるものです。勉強や仕事での失敗や失恋などの対人関係の大きな変化の際に、気持ちが落ち込み、悲しく、何もする気がおきず、楽しいはずのこともできない、といったことは誰しもが経験すると思います。通常は数日でおさまるものですが、2週間以上良いときが全くなく続くのなら、うつ病を考えるべき状態です。

自分では、疲れ、ちょっとした体調不良、場合によってはなまけと思いこむ方も多いのです。このような理由から長引き悪化してから受診されるかたもおられます。病気ですのでセルフコントロールでの初期対策が大切ですが、家庭では「いつもの夫(妻)と違う」、職場では「あいつは最近どうも様子が違う」といった周囲の気づきが早期対応につながります。病気とは関係なく静かな方もおられますし、反対に活気あふれている方もおられます。状態の変化に敏感なのは普段の様子をよく知っている家族や職場の方々でしょう。ぜひご本人に声をかけてみましょう。それでもよくわからなければ他の家族や職場の人に聞いてみましょう。2-3人に聞いて同意見であれば病気が潜んでいると思ってください。

専門医へ遠慮なくご相談下さい。ただし「抑うつ」は誰にでもみられる現象なので、すべてがうつ病と限りません。他のこころの病気や体の病気でうつ症状がでることもたびたびあります。正確な診断は専門医にまかせるとして、なによりも大切なのは本人や周囲の気づきなのです。

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