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新潟市医師会

心療内科・精神科でみられる身体の症状

高橋 誠

(西区 まことクリニック)

心療内科・精神科にはゆううつ感や不安感などの心の問題だけでなく、身体の症状を訴えて受診される方がいます。たとえば、うつ病では倦怠感や食欲低下がよくみられますし、頭痛、肩こりが出現することもあります。また不安や緊張が強いと自律神経の症状として動悸、発汗、嘔気、めまい、ふらつきなどが出現します。これらの症状は、その元になっているうつ病や不安障害を治療することで、改善が見込まれます。

一方、うつや不安とは直接関係がないものの、精神医学的な関わりが必要な問題として身体化症状があります。身体化とは精神的ストレスや葛藤が身体の症状に転換されるプロセスのことです。症状が続くのにいくら検査を受けてもはっきりした異常がみつからない、あるいは検査結果は良くなったと言われてもいっこうに自覚症状がとれない場合には、この身体化が関係していることがあります。このような病気を身体表現性障害といいます。例えばめまい、ふらつきがあるのに脳外科や耳鼻科の検査で異常がみつからないとか、整形外科で病状が落ち着いていると言われても強い腰痛、坐骨神経痛が続く場合などです。このようなときに検査を行った科の先生から何らかの精神安定剤が処方され、それなりに安定することがあります。しかし中には大変な病気が見逃されているのではないか、重い病気の前兆ではないかと心配して複数の医療機関を受診し、結果的に過剰な検査、多種多様な薬剤処方を受けてしまうこともあります。また、症状そのものへの苦痛感が強すぎて、従来できていた仕事や家事がこなせなくなることもあります。こうした場合には、症状の背後に精神的要因があるのではと考えて、心療内科・精神科を受診されるといいかもしれません。

身体表現性障害には抗うつ薬や抗不安薬がある程度有効です。また薬物治療で改善が乏しい場合にも、身体化のプロセスについて本人が理解を深めることで症状が軽くなることがあります。具体的には症状にとらわれないように心掛け、ストレス発散や気分転換を心がけることで行動範囲が広がり、苦痛の少ない日常生活を送れるようになります。

(2009.2.12)

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