市民のみなさまへ

新潟市医師会

認知症の方のご家族へ

斎藤 さゆり

(中央区 オヤケ医院)

高齢化社会で認知症の方は増加の一方です。精神科に来られる場合はいわゆる「周辺症状」といって、行動異常、興奮、妄想(「物盗られ妄想」などが多く見られます)昼夜逆転などでご家族が疲れきって相談においでになる場合がほとんどです。

まず介護するご家族が疲れはててしまわないように社会的なサービスを活用することをお勧めします。ショートステイなどで時々ご家族が休息をとる必要があります。初期の場合は、失敗しても大事にならないような役割をご本人に与えて、感謝を表現すると進行が遅れる傾向があります。また、「物を盗まれた」などと言い出すこともよくあります。一案として、本人名義の通帳に少しだけお金を入れておいて、ハンコと一緒に袋に入れて下げていただいておくと(小額の入った財布でもいいのですが)「無くなった」「盗まれた」と言われたときに目の前に出してあげることができ、それで安心することもあります。

高齢者を狙う悪徳商法も後を絶ちません。「だまされた」というのが恥ずかしい、叱られる、と隠しているうちに被害が大きくなることも多いのです。家族だとかえって言いにくいこともあるでしょうから、「成年後見制度」を利用するのも良い方法だと思います。「法テラス」などで手続きは教えてもらえます。

医療面では認知症の初期症状を改善する薬物もありますし、行動異常、興奮、妄想などには精神科で使う薬物をごく少量使うと改善が期待できます。

どうも話がわかりにくくなった、被害妄想のようなことを言う、など言動に問題を感じたら、「認知症ではないか」というとご本人はいやがりますから、「脳ドックに行って、動脈硬化などがないか診てもらおう」というくらいの言い方でMRIなどを撮ってもらいましょう。また介護サービスの利用(「在宅介護支援センター」と言う所に行けば相談にのってくれます)をどうするか、今後誰が中心となってどのような分担をしていくかなどを家族間で相談していくことが大切です。

(2010.3.2)

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