市民のみなさまへ

新潟市医師会

統合失調症の方への基本的な接し方

斎藤 さゆり

(東区 さいとうメンタルクリニック)

「統合失調症」という病気について皆様はどのような印象をお持ちでしょうか。「幻覚や妄想がある」「なんだかわからないけど怖い病気」というところでしょうか。この病気は100人に1人の割合で見られ、決して珍しいものではありません。「怖い」ものでもありません。「幻覚や妄想」は確かに多くの例で見られますが、むしろ近年「軽症化」といわれ「うつ病でないか」と思われて自ら受診される方も外来では多く見られます。

「幻覚・妄想」についてはちょっとお話を聞くと「近所の人が私のことを悪く言う」「皆に嫌われている」「夫(妻)が浮気している」というような実に身近な内容であることが多いのです。「本当に近所付き合いや夫婦間などのトラブルなのかどうか」は内容があり得ないことであるか、とかその相手が不特定多数にまで広がっているかということやご本人の状況などを考慮する必要がありますし、その他の症状(自分の言動や思考が他者から操作される、という症状もこの病気では特徴的です)などをみて総合的に診断します。

治療は薬物療法が基本です。症状を和らげ、不安感を取り除いていく必要があります。そして「薬を服用していると楽」と実感できたり、「受診するという行為」が生活のリズムに組み込まれれば少し症状が強くなっても早期に外来で対応できることもあります。

よく「薬はずっと飲まなければならないか」という質問をされますが、一般的には「イエス」です。症状によって量や種類は変えることがありますし、かなり少量の薬で安定する場合もあります。しかし服薬や受診を止めてしまうと、症状が悪化して入院しなければならない場合も多いのです。

最近は副作用の少ない薬がいろいろありますので、服薬中断はぜひ避けてください。

また、周囲の方が患者さんと接する場合の注意点としては「みんなが私の悪口を言う」というようなことを言われた場合「そんなことはない」と説得しようとせず、まずご本人にとっては誰が何と言ってもそれが「現実のできごと」であるということをわかってください。「自分にはわからないけれどそれではきっとすごく気持ちが悪いだろう」と受け止めるというスタンスが大切です。服薬についても、「薬を飲む、飲まない」を巡ってトラブルが生じやすいですがご本人の気になる症状(不眠、不安感など)を手がかりにその一番困ることを改善しましょう、というと受け入れやすいようです。

理解していただきたいのは服薬を続けることや生活面での注意(これはケースバイケースなので医師などにご相談ください)を守ることで普通の生活をできる場合が多いということです。仕事や家庭生活で問題なく過ごしている方もたくさんいます。そういう理解を一般の方やご家族に持っていただきたいと思います。

(2011.2.22)

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