市民のみなさまへ

新潟市医師会

レントゲン検査と放射線被ばく

椎名 眞

診療所や病院で「レントゲン検査をしましょう」と言われたとき、不安を感じた経験はありませんか。レントゲン(X線)と聞いただけで、「放射線をあびる」→ 「将来がんになる」などという心配が心に浮かんだ方もいらっしゃると思います。それでは、実際のところはどうでしょうか。

結論から言えば、心配はいりません。X線検査を受けてがんになる危険性は、一般的なリスク、たとえばあなたが交通事故にあう確率や、喫煙によるリスクなどよりずっと低いことが知られています。

一方、X線検査により、あなたに病気があるのかないのか、あるとすればどんな病気かという情報を得ることができます。この利益の方が、放射線被ばくによる危険性よりずっと大きいと考えられ、これが放射線を使って病気の診断をする根拠となっているのです。

とはいえ、放射線被ばくは少ないに越したことはありません。医師はX線検査を行うにあたり、「必要な情報が得られる範囲で、できるだけ患者さんの被ばくが少なくなる」ように診療を行う義務があります。

X線検査における放射線被ばくで、もう一つよく問題となるのは、「妊娠中の女性の下腹部のX線検査」です。妊娠中の女性は、特別な場合をのぞいて、下腹部についてはX線以外の方法で検査することがすすめられていますし、また「妊娠可能な女性で、最近の月経が予定された時期にない女性はすべて妊娠中として取り扱い、下腹部を含むX線検査は特別の適応がないかぎり行わない」ことになっています。

しかしこれも、放射線被ばくによって胎児に奇形が発生する最小線量は100ミリグレイとされており、たいていのX線検査では胎児の受ける線量は10ミリグレイ以下ですので、たとえ妊娠と分からずに下腹部のX線検査を受けた場合であっても、奇形の発生を心配する必要はまずありません。

レントゲン検査に疑問がある場合は、遠慮なく医師に相談し、納得した上で検査を受けましょう。

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