市民のみなさまへ

新潟市医師会

放射線治療について

松本 康男

(中央区 県立がんセンター新潟病院)

放射線は目に見えず、体にも感じることはありませんが、体の表面はもちろん体内の奥の病巣(癌)も退治することができます。手術をすれば大きな傷跡が残り身体の外観や機能も大きく損なわれることがありますが、放射線治療では外観や機能を温存することができます。

放射線治療には、大きくわけて体の外から照射する「外部照射」と体の中に放射線の出る物質を入れて行う「内部照射」とがあります。

外部照射:「放射線治療」の9割以上はこの治療になります。外部照射治療装置にはいくつかの種類がありますが、一般的なものは高エネルギーのX線を照射する装置で「リニアック」と呼ばれます。陽子線や重粒子線治療なども外部照射です。

内部照射:1)放射線を出す針や小さい粒(「密封小線源」と言います)などを直接患部(腫瘍)内に入れて治療する方法を「組織内照射」と呼び、舌癌などの頭頚部癌や前立腺癌などに用いられます。現在は患部に前もって細い管を差し込んでおいて、後から機械により密封小線源を送り込むという方法が多く用いられています。2)管の(内腔のある)臓器の癌では直接線源を組織内に挿入しなくても、内腔に線源を配置することで近くの病巣に大量の放射線をあてて治療することができます(「腔内照射」といいます)。子宮頚癌や食道癌、気管支の癌などがその治療対象になります。3)病巣にだけ集まる物質(元素)の性質を利用して、放射線の出る元素(放射線同位元素)を体内に取り込み、癌病巣に集中させる治療を「非密封小線源治療」と言います。ヨード(I-131)による甲状腺癌治療がその代表です。

放射線治療は日々正確に行われ、照射される範囲以外にはあたりません。放射線治療前に「髪の毛は抜けますか?」の質問をよく受けますが、髪の生えている場所に照射しない限り、放射線で髪の毛が抜けたりすることはありません。放射線治療を怖がって受けるのを躊躇されているようでしたら、気楽に放射線治療医にご相談ください。

(2008.3.5)

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