市民のみなさまへ

新潟市医師会

“けんしん”で「肺に影がある」といわれたら?

古泉 直也

(新潟県立がんセンター新潟病院 放射線診断科)

“けんしん”は健診・検診が混同されて使われている言葉で、社会保健・行政サービスとして集団全体の健康を高めるために行われる集団検診(検診)と、受診された方の健康を確認する健康診断・ドック(健診)があります。

住民検診などの集団検診では、胸部では間接エックス線撮影(10mm角の小さなフイルムで撮影)で行われることが多く、より少ない費用・より少ない放射線被爆で行われます。病気の疑いのあるより多くの方を拾い上げて、二次検診・精密検査を行ってそこで病気があるかないかを確定させ、集団全体の中での病気を減すために行われるもので、個々の受ける方の健康を保証するものではありません。

健康診断・ドックは受けられる方の費用・被爆への御理解をいただいた上で、費用・被爆に見合った検査を行って、受ける方の健康を確認するもので、間接エックス線撮影・直接エックス線撮影(実寸大)・CT(コンピューター断層撮影)など検査の方法も様々です。

検診(集団検診・住民検診)で「肺に影がある」と言われたら、多くの場合は間接撮影で疑われているので実際に病気があることはまだその段階でもかならずしも高くはない(肺がんは数%)のです。また、間接エックス線撮影と直接エックス線撮影は撮影・読影に必ずしも優劣があるわけではなく、間接エックス線撮影でみえても直接エックス線撮影ではみえない場合が多くあります。精密検査としては、直接エックス線撮影ではなく、専門機関でCTを受けることをお勧めします。

健診(健康診断・ドック)で「肺に影がある」といわれたら、受けた検査は健診機関によって様々で、どの程度の病気であるかは様々ですが、やはり専門機関を受診することをお勧めします。

(2011.3.15)

©2013 Medical Association of Niigata City.