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新潟市医師会

放射線治療ってどんな治療なの?

土田 恵美子

(中央区 新潟市民病院 放射線治療科)

放射線は、細胞のDNAを切断することにより、癌細胞が細胞分裂を起こして増える能力を失くしたり、癌細胞を死滅するよう誘導させたりして、治療効果を発揮します。副作用は基本的に放射線が当たった部位にしか生じませんので、一般的に全身的な負担は少なく、状態が悪い患者さんや高齢の患者さんにも行いやすい治療です。

癌治療における放射線治療は、癌を治す目的で用いられる場合の他、手術の前に癌を小さくして手術しやすくする術前照射、手術後に再発の可能性を低くする目的で行われる術後照射、骨転移による痛みや脳転移による神経症状をやわらげる目的で用いられる場合など、幅広い役割を担っています。放射線治療と化学療法を同時に行うことで、治療成績の向上が得られている癌は少なくありません。最近の放射線治療は、画像診断、コンピュター、機械工学の発達により急速に進歩し、癌組織により多くの線量を照射しながら周囲の正常組織の線量を抑えることが可能となってきました。

広く用いられているX線による放射線治療の場合、実際に放射線が当たっている時間は1~2分のことが多く、体の位置合わせの時間を含めて1部位あたり10分程度で終了します。胸部X線写真の撮影と同様に、治療に際して痛みや熱さを感じるということはなく、治療を受けた患者さんから放射線が出るということもありません。放射線治療を行った部位に、新たな腫瘍が発生する場合がありますが、低い確率であり(10~20年後で0.5%という報告があります)、治療によって期待される効果の方がはるかに高いです。

放射線治療医は、疾患の種類、診察時の所見、画像検査や各種検査の結果、患者さんが他の病気を持っているかなどを検討し、最も適していると思われる放射線治療の方法を提示します。起こりうる副作用についても説明しますので、十分納得した上で放射線治療を受けるか決めていただければと思います。

(2013.3.19)

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