市民のみなさまへ

新潟市医師会

MRI検査と磁性体(鉄)

加村 毅

信楽園病院放射線診断科

本欄で以前にMRIについて紹介がありましたが、今回は少し実際的なことについて書かせていただきます。 MRIはX線を使わず、強力な磁石と電波を用いる検査法で、X線写真やCTではわからないさまざまなことがわかる有用な検査法ですが、検査室への金属の持ち込みに制限があります。ここでは磁石にくっつく金属(磁性体と呼ばれる、主に鉄)について述べます。 MRI検査の装置には強力な磁石があるため、磁性体(鉄)はMRI室に入ると強い力で撮像装置に引きつけられます。 人体の外の磁性体が検査室に入ると、飛んでいって撮像装置にくっつきます。飛ぶ経路に人がいると大けがをさせることがあります。このため検査室に入る人の所持品を入念にチェックして、磁性体を持ち込まないようにします。 人体の中に磁性体がある場合は、磁石に引かれて体内で動き、内臓が傷つくことがあります。このため、体内に磁性体がある人は検査ができません。 医療で体内に埋め込まれた磁性体は特殊なものをのぞき、MRIが普及する前、大体今から20年以上前、平成のはじめころより前に埋め込まれたもので、多くは脳や心臓の手術で使われたものです。磁性体が含まれているかどうかはどんな手術をしたかで大体わかるので、MRIの検査を受ける前に、これまで受けた手術についてお聞きすることになっています。これに答えていただければ問題はありません。 しかし、医療目的以外で体内に磁性体が入ることもあります。栄養素として摂取される鉄は問題ありません。鉄のかたまり(鉄片)が問題になります。体内に金属片があることはX線検査でわかりますが、それが磁性体かどうかを判断することはほぼ不可能です。このため、体内に鉄片がないかどうか、検査を受ける方に教えていただくより他に方法がありません。ご高齢の方は戦地で、また鉄を扱う業務につく方やついた経験のある方は事故で体内に鉄片が入っていることがしばしばありますが、その他にも同様の場合があります。どうぞよく思い出していただき、はっきりわからない場合は検査をうける医療機関にご相談をお願いします。

(2014.5.15)

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