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新潟市医師会

腹腔鏡下手術について

川合 千尋

「腹腔鏡下手術」とは、腹腔鏡というおなかの中を見る内視鏡を使った手術です。15年程前から胆石症などの手術で行われるようになりました。5から10ミリ程度の穴をおなかに3、4ヶ所開けて、そのひとつから腹腔鏡をおなかの中へ入れます。腹腔鏡はビデオカメラに接続されており、おなかの中の様子がテレビ画面に映し出されます。この画面を見ながらほかの穴から入れた特殊な手術器械を操作して手術を行います。

腹腔鏡下手術で広く行われているのは、胆石症や胆嚢ポリープの手術です。また鼠径ヘルニア(いわゆる脱腸)や、虫垂炎(いわゆる盲腸)の手術も行われています。最近では胃癌や大腸癌の手術や、婦人科や泌尿器科の手術にも応用されています。

腹腔鏡下手術では、従来の手術に比べて、手術後の痛みが少ない、手術の翌日から歩いたり食事ができる、早く退院できて仕事や普通の生活にも早くから戻ることができるなどの長所があります。小さな傷で済みますから、美容的にもすぐれています。

さて胆石症のお話をしましょう。胆石症は胆汁を貯めておく胆嚢に石ができる病気です。中年のふくよかな女性に多いと言われていますが、もちろん男性にも発症します。石が胆汁の流れを邪魔するとおなかの右上やみぞおちのあたりに激しい腹痛発作が起こります。激痛がなくても、食後のおなかの違和感や重い感じが胆石症の症状であることもあります。このような症状を経験し、胆石症であることがわかったら、手術を考えましょう。胆石のできる場所である胆嚢を取ることが、胆石症の根本治療と考えられています。腹腔鏡下胆嚢摘出術なら入院から退院まで5日程度で済みます。

ただ腹腔鏡下手術では、外科医に今までの開腹手術と違った新しい手術感覚や特殊な器具を取り扱う技術が要求されます。現在ではこの手術に習熟した消化器外科医が増えてきておりますが、腹腔鏡下手術を勧められた場合、その外科医の今までの経験を聞き、十分納得の上お受けになる必要があります。

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