市民のみなさまへ

新潟市医師会

乳腺と肛門、どこにかかったらいいの・・・?

中村 茂樹

(中央区 プラーカ中村クリニック)

勤務時代外科医だった経験を、開業して生かせてよかったと思う場面が、ときどきあります。そのひとつは、乳がんが心配で来られた患者さんの診療です。

乳がんを扱っているのは外科です。このことが一般に知られていないということを、実は開業して初めて知りました。「どこに行けばよいか分からなかった」「婦人科だと思っていた」というお話が、患者さんからしばしば聞かれます。

最近、外科から独立して専門の乳腺外科を開業する病院も出てきました。しかし手術と抗がん剤治療を主とする大病院に多くの患者さんが殺到するので、乳房のしこりや痛みなど、ちょっとした診察目的の患者さんの受診を制限せざるを得ないこともあるようです。

そこで町の開業医の出番・・・となるはずですが、外科出身の開業医が少ないことや、つい最近まで「乳腺」の標榜が許可されていなかったなどで、市民にとっては分かりにくく、かかりにくいのが、乳腺診療の現実のようです。

乳がんの不安を持つ女性は多くいます。そんなときは外科出身の開業医を探してみるのも、ひとつの方法でしょう。

もうひとつ、肛門診療も外科医の守備範囲です。肛門疾患はその種類だけでなく、誰にかかるかも重要なポイントです。「たかが痔、されど痔」といって、丁寧な診察や、手術する・しないの見極めなど、肛門疾患の診療には、熟練を要するのです。

また漫然と坐薬を使用していたら、その後大腸がんが見つかったということもあります。血便のある方や検診で便潜血反応陽性の方は、大腸内視鏡を積極的に受けていただきたいと思います。ちなみに新潟市の大腸がん検診では、便潜血陽性者の40%にポリープが、8%に大腸がんが見つかっています。

また肛門疾患といっても婦人科や皮膚科の方がふさわしいこともありますので、診察医とよく相談してください。

(2009.8.20)

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