市民のみなさまへ

新潟市医師会

足の静脈瘤でお困りの方へ

 

羽賀 学

(中央区 羽賀心臓血管外科クリニック)

下肢静脈瘤は、足の静脈がこぶ状に膨隆する病気です。症状が重くなると様々な足の症状をきたすようになります。だるい、重い、疲れやすい、就眠中のこむら返り(足がつる)、かゆみや湿疹ができやすいといった症状がそれです。重症になると、皮膚が黒く変色したり、潰瘍(皮膚の傷がなかなか治らな状態)をきたすこともあります。 これらの症状は「静脈のうっ滞」が原因です。足に送られた血液は心臓に戻るために、重力に反して静脈を流れる必要があります。それを可能するのは①逆流防止弁の存在と②筋肉の収縮③呼吸による胸郭の陰圧などの機序が考えられます。これらの機能が低下することにより、静脈瘤が発症すると考えられているのです。女性の方は妊娠出産により足の静脈圧が上がることや閉経後のホルモンの変化が発症に関わっているとの報告がありますし、男性の方は長時間の立ち仕事により、下肢の静脈圧が上昇し、静脈弁の機能が悪くなり、静脈瘤が形成されることが多いと考えられています。家族性が認められることもあり、遺伝的な素因も注目されています。 治療には保存的治療と根治的な治療法があります。保存的治療としては弾性ストッキングがあります。手術を必要とせず、自分で管理できるという利点がある反面、弾性がかなりあるために履くのが大変などの欠点もあります。あくまでも予防や術後対策という側面が強い治療法であることを理解する必要があります。根本的治療には、硬化療法、高位結さつ術、ストリッピング手術、レーザー治療、RF(高周波・ラジオ波)血管焼灼術等があり、それぞれに利点と欠点があります。超音波検査を始めとした簡単な検査により手術の適否や治療方針を決定することが可能です。平成23年1月より、下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の保険適用が認められるようになり、現在、治療の主流は日帰り血管内レーザー焼灼術になってきています(施設によっては入院が必要)。弁が壊れた静脈に、太さ1mm程度のガラス製のファイバーを挿入して、レーザー光線を用いて静脈を内側から閉塞してしまう治療です。 治療によっては施行している施設が限られておりますが、お困りの方はかかりつけの医療機関にご相談下さい。

2014.9.9

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